1.自分の手で操作をさせる

天田「シニアはまじめな方が多く、教えてもらったことを一生懸命メモに取ります。しかしスマホ操作は実際にいじってみるほうが覚えやすいことは言うまでもありません。慣れないと何をやるにも時間がかかりますが、そこはじっと我慢。こちらは手を出さずに自分の手で操作をしてもらいましょう。そうすると早く次のステップに進めます。

また過度にメモに頼ると、アップデートでUI(User Interface=見た目)が変わったときなどに何もできなくなってしまうのでメモに頼らせないように促しましょう」

2.やり方は一つではないことを伝える

天田「スマホは、やり方が一つではないのも特徴です。例えば、写真をメールで送るとき、まずアルバムにアクセスして写真を選びメールアプリに遷移する方法もあれば、まずメールアプリを開いて文章を作成してから写真を添付する方法もあります。

どちらが正解というわけではないので、複数のやり方があることを伝えます。ただ、はじめは一番簡単な方法を覚えてもらうといいです」

3.使い終わったらスリープ状態に

天田「誤操作防止のために、使い終わったらスリープ状態にするよう教えてあげましょう。

スリープ状態にしないでポケットやカバンにしまったために、意図せず電話をかけてしまったり、アイコンの位置を変えてしまったりということがあります。中には『遠隔操作されたのでは?』と心配する人もいるくらいです。

またしばらく操作しないと勝手にスリープ状態になるように設定するのが一般的ですが、使い慣れておらず操作に時間がかかるシニアだからこそ、その旨も伝えておくこと。故障したと思われる可能性もあります」

4.ただHPを見ただけではお金をだまし取られないことを伝える

天田「どんなに操作を教えても、自分でやりたいこと、知りたいことのためにスマホをいじってもらわないと覚えられません。

『自分で知りたいことを自由に調べてみてください』と伝えると、『検索して変なホームページを見てしまったら、お金をだまし取られてしまうのでは?』という心配をされる方が大変多いです。仮に有料サイトであっても、普通は何かしらの手続きをしなければ課金されるということはありません。

もしものときのために、消費生活センターなどのことを教えるのも良いですが、普通に検索してホームページを見るだけなら大丈夫だと伝えることで、安心してスマホを使ってもらえると思います」

シニアに優しいサービスの利用の検討も

もし祖父母にスマホ操作についてしっかり教えられない、なかなか時間がないという場合は、モバイル各社のシニアサポートを利用するのも一つの方法。各社、実に充実したシニアに優しいサービスを展開しているのです。

「押すだけサポート 」/ワイモバイル

「60歳以上ずーっと国内通話無料キャンペーン」などシニアに優しいサービスが充実しているワイモバイル。2018年8月にはシニアでも簡単に扱える「かんたんスマホ」をリリースしています。

スマホトラブルに対して、ボタンを押すだけで自動で症状を診断し、解決する「押すだけサポート」のほか、直接オペレーターに電話して手取り足取り教えてもらえるサポートも。祖父母にはこうしたスマホを選んであげるのもよさそうです。

「ドコモスマホ教室 」/NTTドコモ

NTTドコモは、基本の操作方法から便利な使い方までさまざまな講座が受けられる「ドコモスマホ教室」を全国のドコモショップで展開しています。参加は無料で2~4名から開催してくれるので、祖父母と一緒に受講してみるのもよさそうですね。

「訪問サポート 」/mineo

格安スマホのmineoは、「使い始めに必要な設定を代わりにして欲しい」「スマホやタブレットの使い方も教えて欲しい」など、インターネットや電話でのサポートでは不安な方向けに、自宅に訪問してサポートしてくれる「訪問サポート」を展開しています。

確かにインターネットや電話だけでは状況をうまく説明できなかったり、操作があっているのか分からなかったりすることも。その点、訪問してくれるというのは嬉しいですね。

また、スマホの学校のようにシニアに優しいスマホ教室を見つけてあげるのも一つの方法です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。祖父母がスマホを持ちたがっている、使い始めたけれど使いこなせていない、よく質問されるけれど答えられないという方は、ぜひ今回のポイントを押さえて、優しく教えてあげてくださいね。

【取材協力】スマホの学校
現在、前橋校、東京銀座校、山梨校でスマートフォンの使い方講座を開講している。スマホやタブレット端末の基本的な使用方法や、意外と知られていない裏技など、スマホやタブレット端末を使いこなすための知識が満載の講座。シニアも気軽に参加できる。NPO法人ブレインファーム運営。