庶民的な港町で知られざる絶品グルメを食す
MRTを乗り継いで次に向かったのは港町の基隆(キーロン)。
ここは東京で言うなら上野や御徒町のような庶民の街で、生活の熱気に溢れています。街の屋台はどこも地元の人たちで賑わっていて、生活用品や雑貨を安く売る店やドラッグストアも多い。何でもこの町に知られざるB級グルメがあると聞いたのでやってきました。
駅前を抜けて辿りついたのは、夜は夜市で賑わう商店街の真ん中にあたりにある「天一香」と「邢記鼎邊趖」。
一ヶ所で二つのお店のメニューが注文できるのも嬉しいけど、前者の“魯肉飯(ルーロー飯)”は前日に食べたものとは全然違って大きな味玉子が上に一個ドーンと乗っているし、メンマや干し大根がシャキシャキしていて、何杯でも食べられそうな美味しさ。
一方、100年の老舗という後者の“鼎邊趖(ディンビィエンツォ)”はビーフンと同じ材料でできたワンタンのような麺とセロリなどの野菜とのコラボが確かに未体験の味で絶品。わざわざ立ち寄った甲斐がありました。
●天一香
基隆市仁愛區仁三路31號
PHONE (02)-24283027
●邢記鼎邊趖
基隆市仁愛區仁三路(第25-1號攤位)
PHONE (02)-24260043
九份と問屋街は絶対に行かなきゃ!
台湾の田舎の味にほっこりしたところで、今度は基隆からバス片道381円(102元)で一度は行ってみたかった山間の街、九份へ。
ここは台湾の名匠、侯孝賢監督の『悲情城市』(89)のロケ地として注目され、近年は宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』(01)の湯宿のモデルになったと噂されるお茶屋(非公認)があることから人気が高まった台湾屈指の観光名所。
バスを降りてしばらく歩くと両側に土産物や飲食店が並ぶアーケードが見えてきたけど、回廊のようにどこまでも続くそこは、どこからこんなに集まったの? って思うほど大勢の人たちでごった返している。
九份一の名所として知られる石畳の階段脇の赤提灯に灯りが点るまでにはまだしばらく時間もあることだし、屋台のグルメに目移りしてしまう私。「金枝紅糟「素」肉圓」で“肉圓(ばーわん)”130円(35元)という台湾風水まんじゅうに挑戦! モチモチした食感の皮の中に肉やタケノコなどか入ったそれは、甘いケッチャップ風の山海醤で味つけされていて、不思議な味わいでした。
●金枝紅糟「素」肉圓
新北市224瑞芳區九份基山街63號
PHONE (02)-24969265
その後、クラシカルなカフェ「Chiu Chunt Dint B & B「九重町」」で台湾ビールを美味しくいただき、あたりが闇に包まれ始めたところで、いよいよ幻想的な雰囲気を醸し出す石畳の階段へ。
するとここには、ほかの場所ではあまり見かけることのなかった日本人の女の子のグループがいっぱいいて、思い思いの場所で自撮りをしていてビックリ! 『千と千尋の神隠し』の湯婆婆の湯宿を想起させる件のお茶屋をカメラやスマホに収める人たちもたくさんいて、ここだけは特別な場所なんだということを実感しました。
●Chiu Chunt Dint B & B「九重町」
新北市224瑞芳區九份基山街29號
PHONE (02)-24967680
幻想的で思わずうっとり……でも他にももっと行きたいところがある!というわけで、再びバスで山を下り、台北の東に位置するMRT「松山」駅南側の「五分埔服飾特区」へ。
ここは迷路のような路地に小さなお店がひしめき合う服飾系の一大問屋街で、店によっては業者だけじゃなく、一般の人にもオシャレで可愛い洋服やアクセサリーを安価で小売りしてくれるのが嬉しい。破格の安さでお土産のまとめ買いにも良さそう。
今回は夜も遅かったから、「TREASURE SHOP」でピアスやイヤリングを数点買うだけで我慢したけど、確かにチョー安い! 今度は、ここに1日かけるつもりで来ようと密かに誓いましたよ。
●TREASURE SHOP
台北市松山路119巷35號1樓
PHONE (02)-27493329