閣下:最近は面白バンド界隈にでることも、ガチガチのヴィジュアル系イベントに出ることもありますけど、「じゃあ明日はヴィジュアル系の日だよ!」ってなると、モードを切り替えたり。
ぶう:すげえわかります、それ。
閣下:あまりダラダラしゃべるのではなくテンポ良くいこうとか。
ぶう:(お客さんに)甘えられないですよね。幕が開くまでの期待値が違いますからね。(通常のヴィジュアル系イベントだと)「なんかおもしろいことやってくれるんでしょ?」くらいの雰囲気じゃないですか。そこをどうひっくり返すかっていうのでメラメラしてるところはあります。
――ひっくり返ってますか?
ぶう:僕はそう思ってますよ!っていうか他の客をガンガン取っちゃってるんじゃないか不安なんですけどね!!!
ノンスタに出ると真逆ですね。ぬるま湯というか。その油断から来るハプニングとか、内なる新しい要素、ピリピリしてないからこそ出る面白さがあって。
今までえんそくってどこに所属するでもなく、転校ばっかりしてる小学生みたいな感じで、どこの学校でもひょうきんなことを売りにやってきたんですけど、ノンスタ界隈ってみんなおんなじ小学校からあがってきた中学校みたいで、そこでウチらが別の小学校から来ちゃったみたいな。「こいつらのルールわかんねーな!」みたいなところありますよね、そこまでぶっこんでいいんだっていう。
閣下:最終的にトリ様の舞台をぶっこわすっていう。
ぶう:ボクはあれちょっと引いてますからね。
――完全にあれは一歩間違えたら「かわいがり」ですよね。
ぶう:ボク楽屋で言ってるんですよ「あんなのイジメだぞ」って。まざってみると楽しいんですけど。
――信頼感があるからできることなのでは。
閣下:お客さんもあれが冗談だってわかってるから。
――知らない人がやってたらドン引きですよね。
ぶう:そういうのと同時に、別のイベントで閣下を見ると「Jin-Machine変わったな~」って思いますね。すげえヴィジュアル系のバンドっぽくなった。すごく言い方悪くなっちゃうんですけど、2年前は「芸人さんがヴィジュアル系やってるから面白い」感じがあったんですけど、最近閣下のこと「芸人さんっぽい」って見方はあんまりしていないというか。ヴィジュアル系の煽りも堂々としたものになってきましたし。
閣下:だとしたらもっと自分を鍛えなおさなければいけないなと思います。それが板についてしまったら、結局本末転倒だと思うんです。原点はそこ(笑い)だから忘れてはいけないし、もしその「ヴィジュアル系らしい」方向で行くとしたら、それを武器にしているバンドはこのジャンルの中にはたくさんいるじゃないですか。そう思ったら、自分たちが切れる札の中でもできるだけ良い札を常に切っていきたいですし。
ぶう:ボクなんかはちょっと油断してたところもあるんですよね。Jin-Machineは2年前から人気があったけど、ライブ見た時に「これだったらJin-Machineと戦うときは、ヴィジュアル系バンド然としてやれば、そこではこの札で勝てる」じゃないですけど、Jin-Machineに対してはこの札、別のバンドに対してはこの札、みたいに考えていたのに、最近のJin-Machineみてると「この(ヴィジュアル系としての)札も出しづらくなってきた」みたいな。だからちょっと厄介ですね。
閣下:結局そういう風に変なバンド界隈がいろんな札を切れるようになったら、シーン全体が強くなると思うんですよ。