パクチーに関する“ウソ”
「パクチーは、日本でまだ誤解されている」と佐谷さん。
そのひとつとして、「パクチーはアジアの食べ物」という誤解があげられる。実は、パクチー発祥の地は、地中海沿岸。スペインやポルトガルといったヨーロッパ諸国で、よく食べられているそうだ。また、意外にも主な生産地はロシア。パクチーは、寒い方がよく育つのだとか。パクチーの旬は春と秋。さらに、冬のパクチーはゆっくり育つので、味が濃くて美味しくなるらしい。
ふたりは、パクチーの食わず嫌いについて語る。
佐谷さん「だから、パクチーが嫌いだから食べない、というのはウソなんですよ!」
植田さん「……何、言ってるんですか?」
パクチーを初めて食べた人のうち半分くらいは、「なんじゃこりゃー!ふざけるな。二度と食べるか!」と言う。だが、それでも食べていると、だんだん口に馴染んできて、なくてはならない味になる。
大葉やみょうがなどがいい例だ。それなのに最初のインパクトから嫌いと思い込み、食べないままでいる。その結果、ずっと苦手で食わず嫌いになる。「それは食に触れるという意味では不幸なこと」と佐谷さんは主張する。
最初は、怪訝そうだった植田さんも「けっこう人見知りなんだけど、最初嫌だなーと思った相手でも5年後には好きになる、ということはありますね…。それと似てるかも。」と少し納得。
他にも、パクチーが日本に伝来してきた頃は「こにし」と呼ばれていたとか、パクチーは、加齢臭を消す効能があるとか、お肌がツルツルになるとか(確かに佐谷さんはハリとツヤがある美肌だった!)、妊婦さんがパクチーを食べると頭のよい子が生まれるとか、トリビアからオカルトまで、パクチーに関する小ネタが盛りだくさん。古文書から医学論文まで、佐谷さんの調査の深さに驚かされる。
パクチーたっぷりのパクチー料理
今回のイベントはパクチートークを聞きながら、パクチーをふんだんに使ったお料理をいただくというもの。選りすぐりのパクチーメニューを紹介しよう。
海老のパクチー生春巻き。はみ出すくらいにパクチーが入っている。
タイ風若鶏の唐揚げ。甘辛チリソースとマヨネーズにもパクチーは負けない。
ペンネパラビアータ。濃いトマトソースと唐辛子のピリ辛にもパクチーは負けない。
パクチーサラダ。これはもうパクチーそのもの。
また、この日は+100円で「追パクチー(追パク)」も可能だった。店員さんによると、パクチーサラダに「追パク」をする人もいたとか!やはりパクチー愛の強い人たちが集まっているようだ。
おそるおそるパクチー料理を食べるパクチー嫌いの同行ライター。活き活きした美味しそうなパクチーがでてきたので、生パクチーの試食にもチャレンジ。