3バカ再会の湖、パンゴンツォへと出発

『きっと、うまくいく』のラストシーンの舞台となった湖、パンゴンツォ。もともと秘境好きには知られた景勝地だったが、映画の大ヒット以降はインド中から観光客がやって来るようになったという。

では、さぞや交通も整備されているだろうと思うのは早計。ラダック地方の拠点となる町レーから車をチャーターしたりツアーに参加すれば行けるのだが、目指すパンゴンツォは標高4350mのヒマラヤの奥地。しかもたどり着くにはさらに標高5360mの峠を越えないといけない。レーが富士山くらいの高さだってのに、さらに2000mも高いって人間が生きていけるのかもわからない。もはや月に行くのとどう違うのか?

いや、少々言い過ぎました。が、ラダック独特の風景も手伝って、まるであの世にでも向かっているような摩訶不思議なドライブが150km続く。雪や氷や事故った車など、難所にぶち当たれば片道5時間どころでは済まない。

レーでは高山病でフラフラな数日間を過ごしたが、もう時間的に後がない。行こう、行きます。旅行会社が手配してくれたドライバー、パッサンくんの運転で早朝からレーを出発。先に進めば進むほど新しい景色が現れる。まとめきれないのであと3回続きます。

 

明け方のレー。空気が澄んで気持ちがいい。

 

ラダック地方の荒涼としながらも、どこかおおらかな景色。パンゴンツォへと向かうルートは許可証が必要なため、旅行会社などで事前に申請しておく必要がある。

 

道中に度々現れる、チベット仏教の僧院ゴンパ。

 

丘の上に佇むゴンパ。要塞か宮殿のようでもある。

 

早朝の出発だったので、途中で休憩して朝食。パン生地を延ばしたものに、ジャガイモなどの具を包んだラダック地方では定番の食事。美味い。

 

標高が上がるにつれ、山の景色は雪で白味を帯びてくる。

 

ずいぶん高いところまでやってきた、と思ったのはまだまだ序の口でした。

 

標高5360m!世界で二番目に高い峠越え

インド北部の秘境ラダックをめぐる『きっと、うまくいく』のロケ地探訪。いよいよ車は高さ5360mの峠シャンラを登っていく。訪れたのはラダックの観光シーズンが始まったばかりの5月。冬の間には閉鎖されてしまう外界からの街道が、つい数日前に開通したばかりだという。高度が上がれば道は凍てつき、ときには雪に閉ざされる。

素人目にもその装備じゃムリだろうと思う車両もいて、道中、何度かスリップして立ち往生した車やトラックに遭遇したが、現地のひとたちは焦ったり、イライラしたりする様子もない。協力して、土を集めて道路に撒いたりしながら、一台一台先に通す。イライラしてもしょうがない。だいたい標高が高すぎて、頭がクラクラしてイライラどころではないのだ。

車酔いなのか高山病なのかもはや判別がつかないが、高山病の症状には個人差が大きいそうなので、それぞれができる限りの対策を講じるしかない。ちなみにハイになる人もいるそうで、同行した70歳の父親はピンピンしていました。

 

いよいよ峠越え。世界で二番目に標高が高いと言われる自動車道を通る。

 

チェーンを巻かずに峠越えをしようとした自動車がスリップして立ち往生。

 

いよいよ最も標高の高い地点が見えてきた。

 

シャンラ峠。標高5360m。

 

温かいチャイがもらえる休憩所。

 

5月のインドは大部分が夏真っ盛りだが、シャンラを越えには防寒対策が必須。