エモーショナルな最終回に感動『GJ部』
『ゆるゆり』の後に、動画工房が放ったスマッシュヒット作がこの『GJ部』です。
このアニメの舞台となるのは、とある高校にある活動内容不明の謎の部"GJ部(グッジョブ)"。唯一の男性部員であるキョロ(女の娘にドキドキするとすぐにキョドるのであだ名が"キョロ")の周りは、ツンデレな姉とオットリした妹という天使(あまつか)姉妹や天才少女の皇紫音(すめらぎしおん)、野性味溢れまくりでたどたどしい人語しか喋れない綺羅々・バーンシュタイン……と、ひと癖もふた癖もある美少女揃い。
そんな女性部員たちにキョロが振り回されまくる日々をフェティッシュかつチャーミングなサービスシーンをふんだんに盛り込みつつ描いた『GJ部』。動画工房の技術を駆使した動きまくる本編アニメーションに加えて、各キャラクターのキャラソンを使用し次々に入れ替わるエンディングと、非常に見応えのある豪華な絵作りを、本作でも存分に楽しめます。
また、画面の構成も凝っていて、基本的に各エピソードはそのほとんどが部室の中で進み、そして完結する密室劇であるにも関わらず、全く圧迫感を感じさせないレイアウトの上手さもお見事!
そうした豪華さや美しさ、巧みさに加えて本作の大きな見どころとなっているのが、そのストーリー展開です。というのが、『ゆるゆり』が女の娘同士の百合っぽいスキンシップを交えながら、のんびりゆったりした笑いによって、終わりのない楽しい学生生活を綴った物語だったのに対し、この『GJ部』は学生生活のエンディング……つまりは、"卒業"までを描いたアニメ作品になっているのです。
滑らかなで美しいアニメーションに加えて、動画工房は本作においてセンチメンタルな空気やエモーショナルな空気感を見事に描いてみせました。最終回の感動的な展開は、本作のファンにとっても特に評価が高く、ちょっとした"伝説"となっています。
放送終了後もファンの根強い人気に支えられブルーレイボックスのリリースや、続編的なエピソード『GJ部@』も製作された本作。絵作りのパワーにストーリー面での充実度も加わった、動画工房の代表作としてオススメしたい一本です!