オリジナルSFロボットアニメな意欲作! 『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』

銀河機攻隊 マジェスティックプリンス オフィシャルアーカイブ 単行本(ソフトカバー)

次に紹介したいアニメ作品が、この『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』、通称『マジェプリ』。本作は、『GJ部』と同じく2013年に放送されたSFロボットアニメで、動画工房とアニメ製作会社オレンジとの共同制作という形でリリースされました。

大手映画会社の東宝が本格的にアニメ事業に参入すべく新設したレーベル『TOHO animation』によるオリジナルアニメーション第1弾作品であり、シリーズ構成(脚本を取りまとめるシナリオ版の監督業といったポジション)には、『けいおん!』や『マリア様がみてる』でお馴染みの吉田玲子さん、キャラクターデザインには『無限のリヴァイアス 』『機動戦士ガンダムSEED』の平井久司さんを迎えるなど、豪華なスタッフが集結した意欲作。

 

謎の敵対勢力"ウルガル"の猛攻に曝される未来の地球。ウルガルに対抗すべく選ばれた5人の少年少女が新たに開発された人型兵器"アッシュ"に乗り込み、地球の存亡を懸けた熾烈な戦いへと身を投じていく……というのが物語の導入部です。

物語が進むに連れて明らかになっていく謎の数々、重厚なSF設定、ハードなストーリー展開と、非常に見応えのあるSFロボットアニメとなっています。しかしながら、シビアなストーリーや設定を用いているにも関わらず決して物語が暗く、重くなり過ぎない絶妙な作劇のバランス感覚が『マジェプリ』の大きな魅力。

ところどころに挿入されるコメディ描写や、それぞれに特化した能力を有しつつも誰しもが感情移入できる"ザンネンさ"も併せ持っている主人公たちの姿が、本作のチャームポイントとなっており、ハードコアなSF要素にキャラクターの愛らしさやコメディ感といったポップなフィーリングが絶妙なバランスで同居するアニメ作品となっているのです。

また、キャラクターの設定や搭乗するロボットのカラーリングに特撮戦隊ヒーロー番組からの影響が見られ、声優さんも戦隊ヒーロー出身の俳優さんを起用するなど、ロボットアニメファンだけでなく特撮番組が好きな方にもアプローチ出来る試みも注目していただきたいポイントです。

オレンジによる3D CGを駆使した大迫力かつアクション性に富んだ戦闘シーンに、動画工房の誠実な作劇とキャラクター描写(筆者は、特に主人公ヒタチ・イズルに恋心を抱くクギミヤ・ケイのいじらしい姿が特に大好きです!)がミックスされた『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』。個人的にもロボットアニメの大傑作として強くオススメしたい作品です。