食に大変なこだわりを持っていたとされる西太后。その美貌については、とりたてて美しいというほどでもなかったそうですが…しかし!
徹底的な「食によるアンチエイジング」を行い、その結果、年をとるごとに美しくなり、晩年は黒々した髪を持ち、顔にはしみひとつなかったそうです。
そこで知りたくなるのは、西太后が食べていたものは一体何なのか。そして、アンチエイジングにいい食材とはどういうものなのか、ということですよね。
実はその答えは、“スーパーで買える食材”を使った“カンタン薬膳”にあったのです!
国立北京中医薬大学日本校講師であり、日本における薬膳料理研究の第一人者である、阪口すみ先生にインタビューを敢行。
西太后の『美妖食』を私たちの食卓に簡単に取入れる方法について、聞いてみました。
実は簡単! 薬膳料理はシンプルそのもの
薬膳料理の第一人者であり、西太后についての著書もある阪口すみ先生。
初めて会った時、「すらりとして、感動するくらい透き通った肌で、温和で、すごくいいオーラが出ている!」という印象を持ちました。まさに日頃の食生活の賜物なのだと思います。
食べてキレイになった「亡き証人」の西太后と、「生き証人」の阪口すみ先生…とにもかくにも便乗して、私もキレイの生き証人になりた〜い!
と、ひと叫びしたところで、立ち止まり思い返せば。筆者にとって薬膳料理とは、そもそも「漢方薬を色々混ぜるような料理」というイメージでした。スパイシーで、ちょっと独特の香りがする、的な。
しかし今回、阪口すみ先生に直接お話を伺ってみると、薬膳料理とは「身近な食材の持つ力を見極め、それぞれの人の体調にマッチしたものを使う」という、とてもシンプルな考えに基づく料理だったのです。例えば「生姜で体を温める」とか。
これなら薬膳、楽勝っす!(ホントか!?)
というわけで、さらに詳しい話を先生に伺ってきました。
クルミ、肉、黒ごま…。西太后の『美妖食』とは
――すみ先生、食にこだわっていたとはいえ、西太后ともなれば贅沢三昧だったんじゃないですか〜?
すみ先生:「西太后というと、燕の巣やフカヒレなどゴージャスな食を連想しがちですよね。確かにそういったものも食べてはいましたが、身近な食材でいえば、自分の健康のためにクルミを食べていましたね。クルミは頭、そして肌の潤いにいいので使っていたようです」
――ふむふむ、クルミならどこにでも売ってますね
すみ先生:「それから、お肉もけっこう好きだったようです。お肉は血液を補う食材なので、それが足りなくなると、潤いが不足してきたりするんですよね。
特にブタの皮をよく食べていて、おせんべいにいて、スナックとして食べていたようですね、お肌のために」