「愛され力」の形成は「乳幼児期」が理想的
子どもは、生まれてから3歳までの間に、基本的な“信頼感の基礎”(後の「愛され力」)を形成させなければなりません。赤ちゃんは全てのことを周囲から感じ取り身体で体感し、学んでいきます。
生まれたばかりの赤ちゃんでも、喜怒(哀)楽の感情はあるのです。“哀”は、まだ、痛い、気持ち悪い、苦しい、といった感情でしかないかもしれませんが、“喜”が少ないと感情の薄い子どもになってしまいます。
赤ちゃんに“信頼感の基礎”を植え付けるには、「抱っこ」が、最も手っ取り早い方法です。赤ちゃんは、抱っこされると、安心感によって笑ったり、眠ったりしてくれます。この安心感から生まれた赤ちゃんの“喜”の感覚が多ければ多いほど“信頼感の基礎”が強固なものとなります。
「赤ちゃんを抱っこすると抱き癖が付く」と昔からいわれています。しかし現在では、たとえ抱き癖がついたとしても、「抱っこは、できるだけしてあげましょう」という説の方が有力です。
しかし、どうしても忙しく、抱き癖をつける時間的余裕の無い人には、少なくとも赤ちゃんが泣いたら、赤ちゃんの顔を覗き込んで、話しかけたり、笑いかけたりして、赤ちゃんの顔に触れて、赤ちゃんを笑顔にしてあげることをお勧めします。
赤ちゃんが、言葉を話し、ハイハイを始めると、さまざまなことに興味を持つようになります。この時期は、主に生活習慣を身に付けさせ、身体全体で情緒を感じ、体感させることに努めましょう。
保育園や幼稚園に行き始め、子どもの社会が広がると、集団のルールや物事の善悪、想像力(自分に例える)によって他人の心の痛みを感じられる訓練も必要になります。
この頃の善悪の判断が、後の道徳の基礎となり、思考の基盤となりますので、子どもと真面目に向き合い、優しい言葉で話しましょう。
子どもの答えを引き出すために、「ママは○○だと思うな!どう思う?」といった感じで尋ねるのがお勧めです。子どもが考えて答えるまで、時間がかかっても待つことも重要です。わからないようなら、優しい言葉で教えてあげましょう。
乳幼児期に十分に「愛され力」を形成できなかったら?
現在社会は男女平等で、女性の社会進出が進み、共働きの核家族世帯が増加の一途をたどっています。そのためママが仕事に忙しくて、乳幼児期の段階で“愛される自信”を十分に与えられなかった家庭も増え始め、少年期に心の問題を抱えてしまう子どもも少なくありません。
では、もう手遅れなのでしょうか?