「親子で性の話をするのは難しい」そう思っているお母さん、お父さんは多いのではないでしょうか? 親が望まないのに、子どもは性的な情報に触れてしまう機会が多い現代社会で、どんな風に子どもと性について話せばいいのでしょうか。

そのヒントを求めて、今回は、ライフプランニングの普及啓発を行うNPO法人ピルコンが主催した親子向け性教育イベントに行ってきました。
 

性教育は難しくない!?

“性教育”と聞くと、何だか難しく感じてしまいますが、NPO 法人ピルコンが開催したイベントに参加してみると、親子で性について話すのはとても自然なものだと気付きます。「月経や射精、妊娠する仕組みを教えよなければいけない」気構える必要はなさそうです。

今回の対象は5歳~8歳くらいまでの子どもとその親御さん。”わたしのうまれたとき絵本”を作るというこのイベントでは、子どもがお母さん、お父さんに3つの質問をします。お母さん、お父さんは、質問に対して、覚えていることなら何でも、抽象的でもいいので、絵やステッカーなどを使い、えほんにして答えます。

子どもたちが、両親にする質問は次の3つ。

(1)どうして結婚したの?
(2)妊娠がわかったときどんな気持ちだった?
(3)僕・私がうまれたとき、どんなことがあった?

男と女、お父さんとお母さんがいて、愛し合い、妊娠する…という事実を、自分のこととして身近に知ることができる質問になっています。
 

自分のことには興味を持てる

どうして結婚したかを聞かれたお母さんは「お父さんが大切にしてくれる人だと思ったから」と子どもに語りかけていました。こんな風に両親の“馴れ初め”を聞いた子どもは「結婚は大切にしてくれる人とするものなんだなぁ…」と、何となくでも感じるのではないでしょうか。

また、別のお母さんは、妊娠が分かったときの気持を「すごぉく嬉しかったの!」とキラキラした笑顔で子どもに向かって話していました。話を聞く子どもは、照れくさそうでしたが、嬉しくないわけがありませんよね。

あるお母さんは「お父さんとお母さんが愛し合っていたから、あなたが産まれたのよ」と話し、子どもは神妙な顔で聞いていました。「愛し合った人の子どもを妊娠するというのは嬉しいこと」なのだと小さな頃から感じ、両親から教えられれば、少し飛躍する話のようですが、自分に恋人ができたときに、望まない妊娠を回避する行動がとれるように、成長できるのかもしれません。

日本では、年間20万件の中絶が行われているといいますから、妊娠するというのはどういうことなのか、早くから知っておいて困ることはありません。