主演の阿部サダヲ

 映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』の公開記念舞台あいさつが13日、東京都内で行われ、出演者の阿部サダヲ、吉岡里帆、千葉雄大、ふせえり、田中哲司と三木聡監督が登壇した。

 本作は、声が小さいことに悩むストリートミュージシャン(吉岡)が、カリスマと称されるボーカリスト(阿部)と出会ったことで、徐々に変化していくさまを描いたロックコメディー。

 吉岡は「ギターと歌の練習を撮影の半年前から行っていた」と明かし、「こんなに長い時間を懸けた映画はないので、思い入れがとても強いです」とアピールした。

 阿部は「原作物が多い中、完全オリジナル脚本で、しかもロックコメディーという映画はなかなかない。ぜひ(心に)焼きつけてほしい」と呼び掛けた。

 また、物語の内容にちなみ「自分の背中を押してくれた言葉」を尋ねられた阿部は「中学ぐらいのときに、小学生のときの同級生のお母さんから『阿部くんはさ、30歳ぐらいになったら売れるよ』って言われました」とエピソードを披露した。

 阿部は当時、プロ野球選手になりたかったそうで、「別に『役者になる』とも何とも言ってなかったのに…」と苦笑しつつも、「その言葉がどこかに引っ掛かって(背中を)押されていたのかもしれない」と吐露した。

 さらに「普通に就職していた時期もあったけど、そのときは『辞表の書き方っていう本があるから、その通りに書け』という言葉に背中を押されました」とし、「今は(実際に役者として)主役でやっているんですもん。びっくりですよね…!?」と感慨深げに語った。

 千葉は、同業者から言われた「千葉はさ、役じゃないときは本当に色気ないよね」という言葉を紹介し、「逆を言えば、役の時は多少の色気が出てるってことかな、と思ってちょっと自信を持ちました」とにっこり。

 妻で女優の仲間由紀恵が今年6月に双子の男児を出産した田中は「赤ちゃんのオムツ交換をするときにうんちをしているのを見ると、背中を押される。生きているんだな、俺を頼っているんだな、というのを感じます」と明かした。