【別れない理由 ①】離婚で消耗したくない
「周りで離婚した人を見ていると、元奥さんや親族と揉めて修羅場みたいになった人が多い。あんな思いをするくらいなら今のままでいい」
離婚するためには、まず妻と話し合う必要があります。それだけでも気が重いのに、親族が出てきたり財産のことで揉めたり、そんなネガティブな思いはしたくない、と男性は言います。
また、「会社に離婚を報告すると理由を話すのが煩わしい。友達にも説明するのが面倒」とも思うそうです。
離婚で消耗する人たちを目にしているからこそ、自分は避けたいと思うのですね。
【別れない理由 ②】社会的なデメリットが多い
「離婚すると、『まともに家庭も維持できない男』って会社でも取引先でも思われる。昇進にも影響するし、プライベートなことで仕事に波風を立てたくない」
「家庭をしっかり守ってこそ一人前の男」の風潮がまだまだ強い今の社会では、離婚はそれだけ自分の評価を下げることにつながります。
「性格の不一致」での離婚は、詳細を探られるなどマイナスな注目を集めてしまうことがあり、それを避けたいのが別れない理由のひとつ。
仕事が好きな男性の中は、プライベートな話題を会社に持ち込むことを嫌う人もいます。
離婚によるデメリットが多いと判断すれば、“現状維持”を優先するのですね。
【別れない理由 ③】浮気に対する罪悪感が減る
「実はいま付き合っている女性がいるんだけど、妻とはもう終わっているから罪悪感が少なくて済む。結婚してって迫られることもないしね」
相手の女性は、男性が既婚者であることを理解してお付き合いをしているそうですが、お互いに「悪いことをしている」という意識はあまりないのだそうです。
妻には愛情がなく、あくまで形だけの夫婦。だから浮気しても妻に悪いとは思わない。
「え、でもそれって不倫だよね? バレたらいろいろと問題になるよ?」と尋ねると、
「バレないように気をつけているから。あっち(妻)も彼氏がいるっぽいし」と返されました。
罪悪感が少ないとはいえ、不倫は人の道に外れる関係です。それでも貫いてしまえるのは、やはり自由を楽しみ気持ちが優先するから。
既婚の立場を利用して、女性とも気楽に付き合える。でもそれは、一度明るみに出れば大きな問題となって自分を苦しめる自由でもあることを、男性は忘れています。
「まともじゃなくても自分に都合の良い関係」だから仮面夫婦を続ける
話を聞いていると、男性は自分たちの関係がまともでないことは十分に理解しています。
楽しいことばかりかといえばそうでもなく、
「会社で妻の予定を訊かれても答えられないことがある」
「週末の話題を振られると妻と過ごしていないことがバレる」
「家庭的な雰囲気がないと人に言われる」など、周囲に与える違和感はどうしても隠せません。
また、夫婦関係が破たんしているとはいえ付き合っている女性とは不倫の関係、おおっぴらにデートもできないし、いつ女性が嫌になって離れていかれるかもわかりません。
辻褄の合わない生活は、自分は良くても妻から離婚を切り出されたら終わります。
結局、仮面夫婦であっても離婚しない限りは本当にのびのびと過ごせるわけではないのですね。
それでも、男性にとって結婚している立場は自分にとって都合の良いもの。
デメリットよりメリットのほうが上回る限り、離婚という選択肢は選ばないのが現実です。
結婚にはいろいろな形がありますが、本来なら愛情で結ばれてこその夫婦関係を元から変えてしまうのが、仮面夫婦というつながりです。
妻の気持ちをまったく考えなくても、自分が納得していればそれでいい、なんてあり方が通用すると思うのは、男性の甘えではないかとも思います。
こんな夫婦関係を続けることが、男性にとって本当に幸せなのか。
もう一度、結婚の意味について考える機会を持ってほしい。それが筆者の願いです。