感震ブレーカーのメリット・デメリット
【家電コンサルのお得な話・314】 地震への備えというと、家具の固定や非常食の備蓄を思い浮かべる人が多いだろう。これに加えて確認したいのが「感震ブレーカー」である。消防庁の調査では、感震ブレーカーの購入や設置費用などを支援する自治体は2025年度に273自治体となり、前年度から63自治体増えた。全1788自治体の15.3%にあたり、広がり始めた一方、まだ全国どこでも利用できる制度ではない。
自治体によって大きく異なる支援制度
感震ブレーカーは、地震の揺れを感知すると自動的に電気を遮断する装置だ。地震では、停電後に電気が復旧した際、倒れた電気器具や傷んだ配線などから出火する「通電火災」が起きることがある。避難後の無人の住宅で火災が発生すれば、発見や初期消火が遅れる恐れもある。
この感震ブレーカーに対する支援制度は自治体によって大きく異なる。例えば、
・東京都は、区市町村が実施する設置支援事業の経費の一部を補助
・大阪市では一部地域を対象に分電盤タイプの設置費用を補助
・東京都港区では分電盤タイプだけでなく、簡易タイプや工事不要のコンセントタイプも補助対象
・東京都中央区では補助金ではなく、防災用品を区民向けに特別価格であっせんする事業の中で感震ブレーカーを扱っている
逆に制度の存在が確認できない自治体もある。例えば、筆者が住む大阪府高槻市は、2018年の大阪北部地震で震源地となり、筆者宅も壁にひびが入るなどの被害を受けた。高槻市は感震ブレーカーの普及を呼びかけているが、8月時点で筆者が市の公式サイトを確認した範囲では、感震ブレーカー専用の購入・設置補助制度は確認できなかった。
設置しやすい工事不要タイプの感震ブレーカーは、家電量販店のECでも取り扱いがあり、価格は1万円未満から1万円台後半まで、製品ごとに開きがある。ただし、補助対象になる製品や申請時期、必要書類は自治体ごとに違うので、購入前に自分の自治体の制度を確認することが大切である。
大きな地震は、過去に被災した地域かどうかを問わず、いつどこで起きるか分からない。地震そのものを防ぐことはできないが、その後の電気火災という二次被害を減らす備えはできる。自宅の感震ブレーカーと自治体の支援制度を、一度確認してみてはいかがだろうか。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)







