攻撃的なナンバーで、会場の熱が一気にあがったところで放たれるのは『Choosey Lover』。メインステージの頭上にはミラーボールもキラキラと輝き、ドームを一気にダンスフロアに変える。再結成後、初めて披露されるこの曲は、とびきりファンキーに。会場が一体となって明るく楽しく騒ぐ中、ふたりは再びブリッジでメインステージへ。2007年のリリース当時には表現しきれなかったセクシーさも、いま、この年齢だからこそ表現できる大人の色気で魅せる。艶かしい腰づかいで会場をノックアウトすると、ドームは黄色い悲鳴に包まれた。

ステージの両サイドに分かれて立つふたりは、いつものように「皆さん、こんばんは、東方神起です」と笑顔であいさつ。「みんなのユンホです」と沸かせるユンホ。ツアー・ファイナルを迎え、「みんな、気合い入ってるんですか? きょうはやっぱりファイナルだから僕、ユンホも思い切り暴れると思います。ここにいるみんなも覚悟してください」と口角をクイッとあげ、「今までの中で一番ヤバイかも。みんな、準備はOK?」。

会場の歓声に応えながら「いえ~い」とチャンミン。「きょうはツアー・ファイナルで寂しいですよね? その寂しい気持ちを乗り越え忘れるために、今日ここにいらっしゃってる皆さんとすごく楽しく盛り上げていきたいと思います。皆さん、張り切っていこうじゃありませんか!」と叫び、気合を入れる。そして、「ユンホが言ったように、きょう全力でふたり、ダンサー、バンド、スタッフ全員で暴れていきたいと思います」と宣言し、次のステージへと繋いだ。

「ふたりの感情を込めた歌唱を聴かせたかった」(チャンミン)、「表現されてる感情を考えながら歌った」(ユンホ)、とアルバムのインタビューで答えていたように、語るように優しい歌声で届けてくれた『Baby, don't cry』『Believe In U』。素直な“語り口”はダイレクトにスッと胸に響き、癒しをくれる。“一つひとつの歌詞を大切に”ということがよく伝わるパートだった。歌い終えると、ふたりは登場時に乗ってきた車にそれぞれ乗り込み、エンジン音とともにステージの向こうへと消えた。

ライブのメインはステージであることは間違いないが、映像も注目だった。グレーのチェックスーツに身を包んだ気品あふれるふたり。大英図書館のような場所で手にしているのは本だ。ページには、2台のスポーツカーの写真。本を閉じるとタイトルは「WITH YOU」。これまでのパートのコンセプトを伝える趣だ。そして、ユンホが「TIME PATROL」と書かれた本を開くと、意識は未来へとトリップ。「TIME」ツアーを彷彿とさせるように、何者からか銃を突きつけられるユンホ。あわや……! といったところで、目覚めてホッと胸をなでおろす。と、今度は、「LAST MINUTES」という本を開き、場面は宇宙船へ。緊急アラームが鳴り響く中、宇宙船の中を懸命に走るユンホとチャンミン。時限爆弾のカウントダウンが始まり、赤と青、どちらかの導線を切れば助かる、という絶体絶命の危機的状況だ。覚悟を決めたふたり。ユンホが導線を手に、いざ……!