[2度目の結婚でダイアモンドの原石を見つけたAさんの話]

筆者の友人(Aさん)は、大恋愛の末、25歳の時に弁護士一族の長男と理想的な結婚をしました。5千万円のダイヤの婚約指輪をもらって、盛大な結婚式を挙げ、友人たちの羨望の的となりました。

しかし、彼女のお姫様のような生活は5年しか続きませんでした。結婚して5年目に夫が浮気をして、あっという間に離婚です。彼女は、莫大な慰謝料をもらって、そのお金でまずマンションを買い、翌年ロースクールに入学し、卒業して司法試験を受け、弁護士になりました。

離婚後のAさんは、「無知は罪よ!女が独りで生きていくためには法律を知らないと戦えないわ!」と言う強い女性になりました。学生時代は、世間知らずのおっとりした箱入り娘だったのに、あの彼女が、こんな“鋼鉄の女”になるなんて、「離婚は女を強くする」とはまさにこのことだと驚いたものです。

Aさんは、30歳で離婚をした後、本当に頑張りました。彼女の30代は、無心で勉強して無心に働いた日々でした。こうして、彼女も一人前の弁護士になりました。そんな彼女が次に筆者を驚かせたのは、親・親族の反対を押し切って再婚した時でした。

彼女は、40歳の誕生日の前日に籍を入れました。お相手は、何とも憂いのある美青年。但し年収200万円に満たない派遣社員だとか。しかも同じ干支(12歳年下)。さらに、結婚指輪は出世払いということで、彼女が立て替えて買ったのだとか。Aさんの親や親族はもちろん、周囲の友人たちも、「騙されているのでは?」と本気で心配したものです。

しかし、彼女は「頭いいし、大物になる目をしてるわ!何よりね、彼といるとなんだかワクワクして心が若返るのよね~♪」と友人たちの心配を余所に本当に楽しそうでした。鋼鉄の女の影は微塵もなく、まるで学生時代の彼女がそこにいるかのようでした。

彼女の直観は少しずつ現実になっていきました。結婚して3年後に彼は外資系企業の正社員となり、結婚して10年、彼女が50歳、彼が38歳になる頃には、彼の年収は1,500万円を超えるようになりました。

Aさんは、愛する夫から結婚10年目の記念にルビーの指輪を贈られたそうです。子供のいない夫婦ではありますが、夫婦2人、仲良く幸せに暮らしています。

彼女の幸せは、夫の才能を無条件に信じ、彼に投資する決断をした日から始まったのだと思います。彼女は「ワクワクするのよ~♪」と言って、そんな大した覚悟を感じさせない大らかな雰囲気を漂わせていましたが、あの覚悟の日から、振り返らずに全力で走り続け、現在の幸せを手にしています。今後も夫を支え、彼女は走り続けるのでしょう。まさに“アゲマン”妻の底力のなせる技ですね。

人生の幸せの量は平等だといわれています。もし本当に人生の幸せの量が平等なら、感動も楽しさも苦労した分大きく、わくわくして魅力的なはず。それなら、勇気を出して、大好きな男性と冒険の一歩を踏み出すのもいいかもしれませんね。 

 

【参考】
・「女のしあわせ」がなくなる日-“本当にハッピーな人生”を手に入れるためにすべきこと (ももせいずみ著 主婦の友社)
・結婚の才能 (小倉千加子著 朝日文庫)
・ジセダイ総研 親世代から続く「3K」の呪縛と、女性に「5K」を求める男性たち。若者の結婚観から婚姻率を考える
・厚生労働省「平成26年賃金構造基本統計調査 結果概要」
・年収ラボ 平成25年版 サラリーマンの平均年収
※Nozze NEWS RELEASE 理想の結婚相手に異変?婚活中751名のアンケート結果を発表

心理カウンセラー・インテリアコーディネーター・社労士・旧司法試験合格といった多彩な資格を持ち、これらの資格と経験を活かして社労士事務所を経営していましたが、夫の転勤を機に事務所を廃業しました。現在は、資格を活かしたライターのお仕事を細々とさせて頂き、心理学系・医療系を中心としたコラムを書き始めて5年目を迎えています。