社会現象を巻き起こした『アナと雪の女王』に続き、『ベイマックス』もメガヒットした絶好調のディズニーが放つ最新作は、実写版の『シンデレラ』。
新進女優リリー・ジェームズが演じるシンデレラは、勇気と優しさを兼ね備えた、とても前向きなヒロインだ。魔法の力でプリンセスになるシーンは、実写ならではの映像マジックにときめき、王子とのダンスシーンでは、女子のテンションがマックスとなる!
そんな『シンデレラ』を、新宿2丁目「Pt~プラチナ」のやすこママが観賞した。おネエの目から見た『シンデレラ』の魅力はどんなところなのか? やすこママの口から飛び出した歯に衣着せぬ感想は、ユニークかつ痛快! そんなやすこママ語録をご紹介しよう。
「シンデレラの境遇はちょっとゲイっぽい」
――まずは『シンデレラ』の実写版を見た感想から聞かせてください。
やすこ:『シンデレラ』というストーリーは小さい頃に童話で読んでいて、流れは知っているんですが、実写版になると、こういうふうになるんだなと感心しました。
魔女が出てきてシンデレラを変身させたり、ゴージャスなかぼちゃの馬車が出てきたり、ドレスがとにかくきれいで、ぐっときたわね。くるくる回りながらドレスの色がピンクからブルーになっていく場面が素敵よ。一瞬にしてあんなにきらびやかになるんだなあと、感動しました。
さすがはディズニーさんだと思ったのは、ストーリーに忠実なところ。ただ、実写版だからもちろん限界はある。自分が母親に読んでもらった絵本のシンデレラとは違ったもの。でも、あれだけ寄せられたのはディズニーさんだからかなと。
多少細かいところのシチュエーションはいらなくない?と思ったけど、流れとしてはありね。あと、幼少期に「なんでシンデレラは継母と暮らしているんだろう?」と思っていたけど、映画を見て、ああ、こういうことかと納得したわ。
――シンデレラの印象はいかがでしたか?
やすこ:主人公のシンデレラって、人生の波がすごいわね。普通の女だったらあんなふうにはならないわ。ある意味、父親の呪いなのかなと(笑)。
父親が「いつでも勇気をもって」とか「新しい継母が来ても優しくしなさい」とか、やたらめったら訳のわからないことばかり言うからダメなのよ。シンデレラは真面目な女だから、それを誠実に守った結果がああなっちゃったわけ。普通、日本人の女性なら、継母にあんないじわるをされた段階で家を出るとか、非行に走るとかするでしょうよ。
――シンデレラに共感する部分はありましたか?
やすこ:共感ねえ。自分は一般的な普通の男性ではなくゲイなので、ちょっと見方が違うわよ。ゲイだから、どうしても生活していく上で隠さなきゃいけない部分があったり、TPOによってなかなか正直なことが言えないことがあったりするので、シンデレラを見ていて、あの虐げられた境遇はちょっとゲイっぽいと思ったの。
私たちに対してノーマルな人たちは、みんながみんな納得して「そうなんだ」と言ってくれるわけではなく、ゲイってだけで面白おかしくされる時がけっこうあるの。まあ、私たちもそれに対していちいち怒っていられないから、笑ってごまかすしかなかったりするんだけど。でも、それこそ勇気をもっていて、自分がやっていることは間違ってないとは思っているの。そこが、なんだかシンデレラとは似ているのかなと思ったわ。