――いつか王子様が現れる。そんな女子の希望を表した物語でもあると思うのですが、やすこママはどう映画を見ましたか?

やすこ:私は学校で心理学を選考していたんですが、性別に分けると、男性の脳は“理想脳”と言われていて、常に理想ばかりを求めるものなんです。船乗りになりたいという人は別の仕事に就いても、ずっと船乗りになりたいと思い続ける。

でも女性脳は“現実脳”と言われていて、幼少期はそんなに男性との差はないけど、大人なると就職や結婚など、現実を見るようになるの。だから大人の女性がこの映画を見ると、ああ、自分も昔はそういう夢を見ていたのかなあと思えるんじゃないかしら。

 

「現代の日本の女は『シンデレラ』を観た方がいい。女同士の醜い争いをことごとく見てみなさい!」

――やすこママは『シンデレラ』をどういう人に観てほしいと思いましたか?

やすこ:そうね。まず、現代の日本の女たちに「一度は観ておきなさい。そして女同士のことごとく醜い争いを見てみなさい」と言いたい。

心に響かなかった人は人をいじめている人なんだと思う。また、途中であくびをして寝るような女は、いじめをそのまま続ける人ではないかと。ほら、会社では、女同士のグループがいっぱいあるじゃない。給湯室とかで、最初は些細ないじめをするんだけど、それがどんどん大きくなっていくのよ。

まあ、シンデレラよりも自分の方が悲劇のヒロインっぽいと思う人も世の中にいっぱいいるはず。それはそれでいいのよ。人それぞれの受け取り方だから。まずは女性の皆さんに見てもらって、自分がこの映画の中のどの役なのかってことを、見極めましょうよ。

■やすこママ
新宿2丁目「Pt~プラチナ」
新宿区新宿2-10-2 江花ビル2階
20:00~オープン

映画とお酒をこよなく愛するライター、時々編集者、なんちゃってカメラマン。名古屋の女性向けエリア情報誌でグルメ、旅物、珍スポット、珍体験特集まで幅広くこなした後に上京し、フリーに。現在は、映画のインタビューや記者会見などをメインに執筆。マイ・ベスト・ムービーと座右の銘は『ライフ・イズ・ビューティフル』