チラシに載っていた商品をお店に買いに行ったのに、それがなかったら腹が立ちますよね。
「売り切れです」と一方的に言われたら「せっかくそれを買うためにやってきたのに!」と店に対して悪い印象を持ってしまいます。
親と子どもは立場が違います。親が一方的に叱っても、子どもは納得できません。クレーム対応の極意を子育てにも応用しましょう。『「テキトー母さん」流子育てのコツ』の著者の立石美津子がお伝えします。
店員に学ぶ
ユニクロの店員
筆者がユニクロに行ったときのことです。レジ奥のクレド(=会社の理念)に「チラシに掲載している商品は品切れしません」という貼り紙があるのに、チラシに掲載している商品がなかったことがあります。
店員にクレームを言うと…
「せっかくチラシをご覧になってご来店下さったのに誠に申し訳ありません。あいにく人気の商品で午前中に売り切れてしまいました。こちらの予測がきちんと立っておらず、大変失礼いたしました。他の店舗からお取り寄せすることも出来ますが、いかがなさいますか?」と言ってくれました。
このとき「在庫がありません」の一言だけだったら、「言っていること(=クレドに書いてあること)とやっていることが違うじゃないか」とカチンときたと思います。
言われ方次第で受け止める側の気持ちも全く変わってきますね。
スーパーの店員
スーパーのチラシに「マグロの刺身、どれでも2点500円!激安!」とありました。「今日の夕飯のメニューはチラシに載っていたマグロのお刺身にしよう」と買いに行ったら、品切れだったとしましょう。
店員に確認したとき「品切れです」と言われたら「仕方がないな」と思いつつ、でも、腹立たしく思いますよね。
仮にこんな風に言われたら、怒りは少し収まるのではないでしょうか。
「せっかくの夕飯のメニュー内容の御計画が狂ってしまうこととなり、大変ご迷惑をおかけしました。私も奥様の立場だったらとても残念に思います。
あいにく多くの皆さんが『今日の夕飯はマグロの刺身にしよう!』と思われたようで、先ほど売り切れてしまいました。本当に申し訳ございません」
ここまで言ってくれる店員はいませんが、相手の身になる対応が大切だということです。
親と子ども、お互いのストレスを軽減する方法
おもちゃ編
人は一方的に叱られると耳をふさぎます。ですから親の意見を直ぐにぶつけないことがコツです。
例えばおもちゃを片づけない子ども。親からしてみれば…
- 「もう、夕飯の時間だから」
- 「寝る時間だから」
- 「床に物が散らかっていると掃除機がかけられないから」
などの言い分がありますが、子どもの立場になってみると、それはあくまでも大人の勝手な都合なのです。
子どもは
- 「まだ遊んでいたい」
- 「幼稚園から帰ったらまた遊ぶので、このままの状態で置いておいてほしい」
でも、子どもが登園した後、掃除機をかけなくてはなりません。また、親がお手伝いさんのようになってやってしまうと、子どもに「片づける」習慣が付かず、将来困ったことにもなります。
だからと言って「いい加減に片づけなさい!」「なんど言ったらわかるの!」などの言い方をしても、それは親の意見であって子どもは納得することはできません。
たとえ、きつく叱られて親の思う通り行動したとしても、それは怖いから従っているだけで「本当にそうしなくてはならない」とはちっとも思っていないのです。だから、毎日同じことの繰り返しになり、親子のバトルになります。