スイミング、サッカー、英語、ピアノ、ダンスなど…。子どもに習い事をさせているママは多いと思います。
習い事の中には、親がやらせているものもあれば、子どもが自ら「やりたい!」と言い出したものもあるでしょう。
今まで順調に通っていたのに、突然子どもが「この習い事、辞めたい!」と言い出して困った経験はありませんか?
習い事に投資した時間や金額のことも考えると、親としては「ここで辞めるのはもったいないなあ…」という気がして、簡単に辞めてほしくないですよね。
子どもが習い事を辞めたいと言い出したら、親はどうすればいいのでしょう?
心理学者の植木理恵先生に、親の対処法と子どもが「習い事を辞めたい」と言い出す心理についてお話を伺いました。
「習い事を辞めたい!」は親が止めてもいいの?
子どもが「習い事を辞めたい」と言い出したとき、親としては「せっかく習い事をやっているのだから、せめてなにかひとつでもモノにしてから辞めてほしい」という願いがありますよね。
スイミングであれば「クロールで25メートル泳げるようになってから…」、ピアノであれば「〇〇の曲を弾けるようになってから…」などと考えがちです。
子どもの言う通りに、辞めさせた方がいいのでしょうか?
植木先生に聞いてみたところ、明快な答えをいただきました。
『親としては今までのことを考えたら複雑な心境になってしまうのは分かりますが、辞めさせるのは悪いことではありません。むしろ、辞めたいと言うのなら、親の感情で無理に続けさせるより、辞めさせてあげるほうが良いと感じます。
習い事となると、親としてはつい技術の習得だけに目を向けてしまい、「モノになってないから、今辞めるのはもったいない」という考えが芽生えやすくなります。
しかし、子どもは習い事を通して、技術の習得以外にもたくさんのことを学んでいます。
たとえばピアノであれば、30分間椅子に座ってピアノをしているわけですから、集中することの大切さやコツを学んでいるでしょう。
体操やダンスであれば、人前で演技をすることを積み重ねていることで、他の子より人前に出て上がるということが少なくなるでしょう。
サッカーであれば、大勢のメンバーとのコミュニケーションの方法、周りを見て行動することの大切さを学んでいるかもしれません。
人間性の成長や、人格形成。高価なお金を出して学ぶべきことは、絶対に学んでいるのです。
親は子どもと同じステージに立って考えるのではなく、俯瞰することが大切です。』
習い事に関して、親は、技術の習得の有無だけに目を向けるのではなく、その奥にある“なにか”にも目を向けることが必要なんですね。
そう考えると、子どもの習い事というのは、たとえ辞めてしまっても、どれも意義がある気がします。
また、今、習い事をしている子どもへの声かけも、「〇〇ができた、〇〇ができなかった」、あるいは「進級テストに合格できた、不合格だった」というだけでなく、「今日はすごく周りを見てプレイしてたね」「最後まで先生の話に集中できてたね」と、いろんな視点からの声かけが考えられますね。
そういう視点からの声かけがあると、子どもの習い事に対する熱意も継続しやすいのかもしれません。