「習い事を辞めたい!」と言い出す背景にある心理とは?

それにしても、自分から「やりたい!」と言ったから通わせていたのに、今までやる気マンマンで通っていたのに…、子どもはなぜ突然「あの習い事、もう辞めたい!」と言い出すのでしょう?

植木先生によると、

『他に興味が増えたり、興味の対象が移ってしまうことは、小さな子どもにはよくあること。』

なのだそうです。

『今までやらせていた習い事に興味がなくなった、やる気がなくなった、と考えたら、親としては腹が立つかもしれませんが、「興味が増えた」と考えれば、少し捉え方が変わるのではないでしょうか。

子どもは好奇心旺盛な生き物。そして、大人には考えられないぐらい、肉体的にも精神的にも日々成長しています。

いきなり他に興味が増えたり移ったりすることも、子どもの健全な成長の証なのです。』

子どもが突然「あの習い事を辞めたい」と言い出すと、「飽きっぽい性格なのでは?」「怠け者なのでは?」「根性が足りないのでは?」というマイナス面ばかり考えてしまうママは少なくないと思うのですが、決してそうではないということですね。

『成長の証』と聞いて安心したママも多いのではないでしょうか。


***

子どもの習い事に関して「辞めたい!」と言われて頭を悩ませているママは、今回の植木先生のお話はすごく参考になったのではと思います。

また、今、習い事をさせているママ、これから新たな習い事をさせる予定のママも、子どもへの接し方のヒントが得られたのではないでしょうか。


【取材協力】植木 理恵(うえき りえ)

心理学者、臨床心理士。東京大学大学院教育学研究科教育心理学コース修了後、文部科学省特別研究員として心理学の実証的研究を行う。日本教育心理学会において最難関の「城戸奨励賞」「優秀論文賞」を史上最年少で連続受賞。現在、東京都内病院でカウンセリング、慶應義塾大学で講師をつとめる。また、「ホンマでっか⁉TV」にて心理評論家として人気を博す。
学術的研究にとどまらず、『本当にわかる心理学』(日本実業出版社)、『シロクマのことだけは考えるな!』(新潮社)など、一般向けに心理学を解説した著書多数。

3万人を超える人の悩みを解決するコーチ&カウンセラーとして活躍。 2010年、その経験を活かしてコミュニケーション心理スキルを紹介する、コミュニケーションライターとして独立。一般社団法人日本聴き方協会認定シニアインストラクター・認定シニアカウンセラー。 [ブログ]