「感動」がない消費は100円ショップでもムダづかい!

「無感動の消費」といってもぴんとこないと思いますが、簡単にいえば「お金を使っても、ちっとも楽しくもなければ、うれしくもない買い物」のことです。

毎日使うお金のことを思い出してみてください。お金を使って満足していますか? その感情の動きは、使ったお金に見合うものでしたか?

私たちは、毎日いろんな買い物をしなければなりませんが、繰り返し買うものほど、それが当たり前になり、気がつけば無感動の出費になっているものです。それは、たとえ100円ショップで使った「108円」であっても間違いなくムダづかいです。

「買えてうれしい!」とか「おいしかった!」というような素朴な感動があれば、使ったお金はムダではありません。

むしろ感動は金額とは無関係であることが多いものです。先ほど100円ショップの例をあげましたが、クレジットカードから自動引き落としされた1万円がほとんど無感動である一方で、コンビニの新作スイーツ(100円)が美味しくて大感動することもあります。

金額以上の「感動」があれば高額出費も意味がある

お金を上手に使うヒントは「感動」です。これは高額出費にも当てはまります。
お値段以上の感動があれば、その出費はムダにならないどころか、次のお金を稼ぐモチベーションにもなるからです。

よく「ご褒美消費」といいますが、これはちょっとしたガマンが感動を盛り上げてくれる仕組みのひとつです。「この仕事が終わったら、○○を買おう」とか「毎月ちょっとずつ積み立てて夏の旅行は××に行こう」というお金の使い方をすることで、5万円や10万円の出費もかけた値段以上の感動に変え、さらに「また仕事、がんばろう」と思うことができます。

最初に例をあげた5万円の旅行も、友達や交際相手と過ごした一泊二日の時間、いろんなおしゃべりや笑顔、今までなかった経験などを楽しむことができれば、それは感動がたくさんあり、まったくムダではないわけです。気分転換に成功したことでメンタル的に落ち込まず、冬まで仕事ができれば、それだけでも元が取れているかもしれません。

これに対して、毎日108円程度の「無感動消費」をしていることはたいしたお金でないように思えますが、年間39420円の高額出費をしている、ということでもあります。けっこうデカい金額です。感動のボリュームは、どちらが大きいでしょうか?