『孤独のグルメ』で五郎さんが食べた定食
『土房』のテジプルコギ・ペクパンの主菜、甘辛の豚焼肉
全羅道は韓国有数の穀倉地帯と西側の海が産する豊かな食材を使った料理が発達したところで、その北側(全羅北道)の中心都市・全州はビビンパの故郷として知られている。
『孤独のグルメ』韓国出張編に登場した『土房(トバン)』は、そんな全州の食の豊かさをたったの1万ウォン(約1000円)で確かめられる店だ。
この日頼んだのは、9000ウォンのテジプルコギ・ペクパン(豚焼肉定食/注文は2人前から)。もちろん、五郎さんが食べたセルフビビンパ(ボウルに入ったごはんに、副菜の総菜をのせて混ぜて食べる)も体験できるし、運がよければ韓国式納豆汁チョングッジャン(日替わりでキムチチゲのときも)も味わえる。
『土房』のチョングッジャン(韓国式納豆汁)は、韓国人に言わせればあっさり味だとか
驚かされるのはその品数の多さ。
豚焼肉定食という言葉から日本人がイメージするのは、豚肉とキャベツ、ごはんと汁物に小鉢の漬物くらいだが、この店では豚焼肉とごはん以外に、汁物(チョングッジャン)、3種のナムル、白菜キムチ、白キムチ(唐辛子を使わない白菜漬け)、目玉焼き、オデン(魚のすり身の煮物)、サンチュなどの葉野菜、生ニンニクなどが並び、どれが主菜なのかわからなくなるほどだった。
おまけに食後には口直しのヌルンジ(おこげの着いた鍋にお湯を注ぎ、お茶のように飲む)も出てくる。
コチュジャン系のタレで炒められた豚焼肉は絶妙な甘辛さで、これだけでもごはんが進む。韓国の人のようにセルフビビンパにしなくても、サンチュに豚焼肉をのせ、好きなキムチやナムルや味噌を加えて巻けば、いくとおりもの味の変化が楽しめる。
同席した韓国の人の話によれば、1万ウォンでこれくらいの総菜が並ぶのは、韓国、とくに全州では珍しくないとのこと。全羅北道の食、恐るべしである。
『土房』は全州市の郊外にある。韓屋マウルからタクシーで15分ほど
なお、『孤独のグルメ』で五郎さんが食べていたのは6000ウォンのカジョンシク・ペクパン(家庭料理風日替わり定食)。テジプルコギ・ペクパンをコンパクトにしたものだが、全州であれこれ食べ歩きしたい人には、これくらいのボリュームでちょうどいいかもしれない。
番組登場以来、日本からの団体観光客がたびたびやってくるので、予約は当面受け付けていないそうだが、午前の開店まもなくの時間や夕方の開始時間前に少し並ぶ覚悟で行けば、利用できる可能性は高そうだ。
全州市完山区平和洞1街727-1
10:00~15:00、17:00~21:30 日曜定休 TEL:065 226 1080
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