猫を飼う人なら必ず何度もお世話になる職業、獣医さん。
そんな獣医師が書いた猫の本が無数にある中、“日本最初の猫専門クリニック”を営む鈴木 真先生による『猫医者に訊け!』がリリースされた。
その道30年の専門医が猫にまつわるさまざまな質問に答える“100問100答”形式の書籍で、イラストはアニメ化もされた『くるねこ』で知られる人気漫画家・くるねこ大和さんが担当。
発売から約1ヶ月が過ぎた現在、ネット通販サイト大手「Amazon.com」でのユーザーレビューは平均4.2(満点は5)とかなりの高評価だ。
今回はそんな全6章構成の『猫医者に訊け!』から、猫を飼っている人でも思わずハッとするような“意外と知らなかった話”を4つに分けて紹介したい。
困った行動には“きっかけ”がある!
「飼い主が食事を始めると、必ずと言って良いほどトイレをするのですが、なぜ?」
「人間のトイレに一緒に入ってきて、その時だけ大人しく抱っこされのるだが、どうして?」
“そんな行動をするのはウチの猫だけ?”という飼い主の疑問に対し、鈴木先生は、何か“きっかけがあったのでは?”と回答している。
猫の排泄は特定の事象と関連づけられやすいらしく、「食べ物の匂いをかぐと胃腸が動き出すような反射ができてしまった」場合、質問のように飼い主の食事と猫のトイレタイミングが一致してしまうようだ。
トイレだけで抱っこさせてくれる猫の質問にも、「たぶん最初にトイレに入ってきたときに抱き上げて、用を足したんじゃない?」と答える。
猫は同じことを繰り返すうち、そのことを嫌がらなければ、次からその行為を要求するようになるという。
「人間が○○した時に猫が△△する」といった定期行動は筆者宅の猫にもあり、まさに本書の質問と同じく人間の食事中にトイレ(しかも大)をしたがる。
このようにパターン化してしまった猫の行動は変えにくいため、「ヒトから見えない場所にトイレを設置することが一番無難かな」というのが鈴木先生からのアドバイスだ。
この考え方は、猫のしつけにも役立つ。
「夜中に遊びたがって人間を起こす猫」の悩みに対しては、人間が寝ている時間は完全に無視することで予防できるという。
夜中に大声で鳴いたら飼い主が相手してくれて嬉しかったという“きっかけ”を、猫に与えなければいいわけだ。