めんま:これまでの話を聞いて思ったんですけど、ふたりともXが絡んでるのがすごいですね。

しほ子:私Xの「エ」の字もないんですけど、いいですか(笑)。しほ子です、大学生です。私がヴィジュアル系を聴くようになったきっかけはちょっと不純で、全部姉の影響なんですけど。姉が「少女コミック(小学館)」の読者で(ココで新條まゆ先生の『快感フレーズ』の単行本を取り出す)。

かえで「お化粧薄いですね」めんま「この時期の"ソフヴィ"はほぼノーメイクの人も多かったんです」

めんま:出た~~~~!私もコレ持ってるよ!

しほ子:だから最初は…Λuciferです。この頃まだ小学校1年生で。歌詞とか漫画の内容の意味も正確にはわかないのに読んでる小学校低学年時代でした。

めんま:やばい。小1で快フレはなかなか刺激が強いですね。

しほ子:そして姉がΛuciferからJanne Da Arcにハマって、一緒になって聴いてました。それで小さい時からそのふたつは聴いてたんですけど、だからといってそこからヴィジュアル系にズッポリわけではなくて紆余曲折…というか、小学校高学年のころはRAG FAIRにハマっていて、そこで若干母を巻き込んでおっかけをしてたんです。

それと平行して当時はお笑いブームということもあって、高校の時はNON STYLEのおっかけをしていました。

かえで:なんか同年代感がすごい(笑)。

しほ子:だから基本的におっかけ体質なんです。中学生の時は仲の良い友達がAlice Nineのファンで、登校中に延々とAlice Nineの話を聞かされてました(笑)。その当時はRAG FAIRのために「アリーナ37℃(音楽専科社)」を買っていて、そこにAlice NineやGACKTさん、MIYAVIさんも載ってて。RAG FAIRの記事を読むついでに「お、いるな」って感じで。友達の庭が近くにあるみたいな。かといってそこでヴィジュアル系にハマるわけではなく。

高校になってからは部活が忙しくておっかけは休んでて、KREVAやRADWIMPSとか聴いてたところに、まったくヴィジュアル系とか関係ない、お笑いが好きな友達に「ニコニコのゴールデンボンバーの動画がおもしろいんだよ」とおすすめされて…。その子はラーメンズのファンだったので、彼らのことは最初芸人だと思ってたんですよ。

――ラーメンズ、ゴールデンボンバー、並べるとたしかにちょっとそれっぽいですね(笑)。

しほ子:ニコニコ動画を初めて見た時に、その時の衝撃がすごくて、「なんなんだこの人たちは!」と『女々しくて』を10連続くらいで再生しました。

「これは素晴らしい」と胸を打たれて、そこからひたすら動画を漁って漁って、ちょうど「また君に番号をきけなかった」のリリース時期だったので、そのCDを買いに行き。高校生の時は部活があってライブには行けなかったんですけど、「メジャー行きま宣言」とかニコニコ動画で観てました。

めんま:懐かしい…。

しほ子:まだその時はチケットの買い方もわからないし、とりあえず家でニコ動を観て号泣して。その後大学に進学していろんな人に出会いインディーズを知り、今はそこににどっぷりという感じです。スタートが王道ではないというか。

――ヴィジュアル系文化の入り口って『快感フレーズ』や『DEATH NOTE』みたいにアニメの影響も大きいんですね。逆にXが入り口になってるのも面白いです。「そういうのは懐古主義なんじゃないかな」という声もあると思うんですが、そこを入り口にしてまた新しい若手バンドを知るっていうのはシーンの循環になっているというか。

かえで:Xのファンってすごく優しいんですよ。はじめてヴィジュアル系を好きになった時に「Xファンの友達を増やしたいな」と思ってアメブロを始めたんです。当時はアメブロが流行っていたので、コミュニティで友達を作ろうと思って。そしたら30代くらいののhideちゃんファンの人と知り合って、その人がすごいかわいがってくれて。「若い子たちに好きになってほしいから受け継いでいってね」ってCDやDVDを譲ってくれたりして。

一同:やさしい~!

かえで:だから「共同体(Xのファンのこと)すごい…」ってなって。