――そろそろ関西在住かえでさんの新幹線の時間が迫っているので(笑)、この辺でお開きにしたいのですが、最後に皆さん何か一言お願いします。

さき子:今日はいろんなお話が聞けて楽しかったです!同世代でも、バンギャルになったきっかけや歴史ってやっぱり人それぞれなんですね。個人的には90年代とか、それこそ黒夢やLUNA SEAが流行っていた時代の話ももっと聞いてみたいなと思ったので、いつかそんな企画があったらまた呼んでください(笑)。今日はありがとうございました。

かえで:私はゴールデンボンバーのおかげでヴィジュアル系の間口は広がったと思うし、ファン人口も増えたと思うんです。ヴィジュアル系は多種多様なんで、みんな好きなものを探して聴いたらいいですよ!V系は最高の文化ですから!

しほ子:良くも悪くも近いし色んなメディアが近くになるからいい意味で距離感がないというか。

かえで:ネットがあるからね。

しほ子:動画もあるし地方でもツイキャスをやれば、声も聞けるし

かえで:今はツイキャス流行ってるしね。

しほ子:すごく距離は縮めてくれるじゃないですか。近いですよね。それが悪く取られることもあるけど。

――それでバンドマンにカリスマ性がなくなった…とかは言われてますね。

しほ子:でもそのおかげで知れる機会も増えてると思うんですよ。「日常が見える」というのが大きいし、ありがたいと思うんです。

かえで:メンバーがツイートしてくれてることで「生きてる!」みたいに思うし…。

しほ子:それで感情移入しやすいというか。バンドマンを神様みたいに褒めてたたえることはあんまりないですけど、だからこその魅力も多くて、楽しいです。メディア…ありがとうって感じです。

めんま:われわれ世代は「ネットが無い頃のバンドの方がカリスマ性があった」と言いがちですけど、あまり若い子は気にしないでほしいです。もちろん昔のバンドにレジェンド的なバンドが多いのは確かですけど、“ネットが無くて見る機会が貴重だった”というのを“カリスマ性があった”と混同しているフシがある気がします。

――ネットによってファン側が発信できるようになったことも大きいでしょうし。

めんま:あと今はネットができたことでバンドとの距離が近くなった分、嘘や噂も簡単に広められるし、バンバン収集できちゃうんですよ。バンド側も人気というか信用を維持するのがすごく大変だし、バンギャル側もバンドを信じてついて行くのが大変だと思います。だから単純に「近くなった」というわけでもないと思うんです。

距離が近い分、その間の障害はデカくなったというか、ファンとバンドの絆が試される試練が多すぎて。だからどうか引き裂かれないで欲しいと思っています。他人事のような言い方ですが…

――大変なことも多いけど、悪いことばかりでもないんですよね。

めんま:ただ知識を得ることにお金がかからなくなったのはネットの恩恵です。これは手放しに喜べますよ。昔は音源試聴ができないから、お金も音源を貸し借りできる友達もいないと、曲は一切聴けなかったんです。バンドを好きになれる機会が圧倒的に少なかったんですよ。

――情報格差というか。それに交通費も安くなりましたからね。

かえで:高速バスやぷらこだ(ぷらっとこだま)を使えば安く行けますからね。人気の高速バスでも平日は取りやすいし。しかも席も3列だし…。あ!もう行かなきゃ…。

一同:気をつけて帰ってね!

『バンギャルちゃんの挑戦』
著:蟹めんま
定価:本体1000円+税
発行:株式会社KADOKAWA

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