――この10年くらいで、90年代の人気バンドも色々と復活しています。あの時期のバンドに対するイメージってありますか?

さき子:私は黒夢や清春さんが好きです。theGazettEも好きだったので、RUKIが清春さんかっこいいと言ってたのがきっかけです。清春さんが黒夢の曲をセルフカバーしたアルバム(09年の『Melody』)をまず聴き始めたんですけど、その後黒夢復活したし行ってみようかなと、11年の代々木体育館のライブです。それを観て「やばい!」ってなって。でも、黒夢ってライブ終わるの遅いじゃないですか。

当時はまだ館山の実家だったので、終電があったからダブルアンコールが全部聴けなかったんですよ。

――それは悲しい…。

さき子:でも、LUNA SEAや黒夢も好きですけど、もっと昔から好きな人がたくさんいるから、こんな若造が「好き」とか言わないほうがいいのかなあっていう気持ちは少しあります。

――そんな、ウェルカムですよ…。

しほ子:上の世代のお友達もいないし、聴いていたわけでもないですし。一番上でヴィドールとかの世代かな…30前後のお友達がいるくらいで。XやLUNA SEAはTVに写ってるというか。あとはIZAMさん(SHAZNA)、みたいな。私が23歳で一番年上だとは思うんですけど。『金田一少年の事件簿』の主題歌でヴィジュアル系が流れていたイメージがあります。

めんま:Plastic TreeやLaputaですね。

――ヴィドールが「上の世代」になるんですね…。

かえで:わたしはXから現代にバーンと飛んでるから中間が無いんですよね。

――今ってテレビにヴィジュアル系が頻繁に出たりしないじゃないですか。みなさんはどこでヴィジュアル系情報を知るんですか。

かえで:私はYouTubeですね。その頃はツイッターもやってなかったし、情報源はほぼYouTubeでした今はTwitterで色んなバンドを知るとかあるんですけど、あとは雑誌の「SHOXX」や「Cure」を読んだり。

――親や周囲の反応は?

かえで:私の親はそこまで(バンギャル活動を)肯定しているわけじゃないので、「バンドのライブばっかり行って~」と今も言われています。親や友達からはお化粧したお兄さんを疑似恋愛的におっかけてるみたいに思われてるから(苦笑)。そうじゃないのに!

肯定してくれるというか、わかってくれるのは、だいたい韓流と他のジャンルのファンだったりしますね。そういう趣味のない子とかは「そんなに同じバンドのライブに行く必要あるの?」と言われたりします。

めんま:そういうところはいつの時代も変わらんね…。

かえで:「超ちがうよ!何言ってんの!」って。

めんま:でも最近は「(ヴィジュアル系)気持ち悪い」って言われないですよね。

――たとえば「男が化粧なんかして」とか私の時代はよく言われたのですが、そういうことは言われますか?

かえで:親は49歳なんですけど、hideちゃんとも同世代だからヴィジュアル系自体には拒否反応はないかも。遠征したりすることに否定的なだけで。妹は女子大なんですけど、やっぱりバンギャルはいるみたいですね。

しほ子:私も女子大なんですけど、たまにライカの袋持って歩いてる人いますからね。

めんま:うらやましいなぁ、私まわりにバンギャルがあんまりいなかったんですよ。

しほ子:高校でも体育祭で創作ダンスの時にアンカフェの「ニャッピ~」というフレーズだけが使われていたり。マラソンのときにずっとJanneが流れてるとか。

めんま:たしかに、校内放送で「この学校にバンギャルいるな」ってわかりますね。

――私は逆にド全盛期だったので、ヴィジュアル系ばっかりかかってたような…。

めんま:私がちょうど小学生くらいの時は、LUNA SEAやSHAZNAが流行ってた時期で、その時は校内でも市民権があったんですけど、そのあと中学生になった時は、「ラルクやGLAYが好きな人と、PIERROTやDir en greyが好きな人は別」という価値観があったんです「J-POPとしてお茶の間人気があるヴィジュアル系と、ガチのヴィジュアル系は別」みたいな。

――へえ!

めんま:ラルク・GLAY派とDir・PIERROT派はあんまり近づかないというか…ぱっくり別れてました。ハタから見るとどちらも「ビジュアル系好きな奴」だったはずなんですけど、当の本人たちは相容れないというか。私は「『浸食 〜lose control〜』がOKなのに『残-ZAN-』が受け入れられないのはなんでだ…?」と思ってました。

――今もそういうのあるんですかね。

かえで:キラキラ系か黒いのが好きかみたいなのはあるのかなあ。