4.レストランなどの飲食店

【教える内容】

赤名「お店の中では走ってはいけないこと、食事の前後のご挨拶、給仕してくださる方へのご挨拶も自分からできるように伝えましょう。

食べ残しなどをしないよう食べ物の大切さ、ありがたさを伝えるのもいいですね」

【注意点】

赤名「レストランに行くときだけ食事のマナーを良くさせようと思ってもなかなかできないもの。日頃の食事から食事のマナーについて伝えていきましょう。

遊びに“おままごと”を取り入れ、お店の方、お客様と役割を変えて相手の気持ちになる機会を作るのもよいですね。

そのときに『こんなお客様だと困っちゃうね』『こういうご挨拶をされると嬉しいね』と状況を一つ一つ言葉で伝えてあげると、子どもは理解しやすいです」

子どもにお出かけマナーを教えるポイント

子どもにお出かけマナー教えるときに押さえたいポイントを、赤名さんに教えていただきました。

1.その日注意したいこと、お約束事は「出かける前に」伝えておく

赤名「実際に出かけてしまうと、子どもはいつもと違う状況に興奮状態になり、話をきちんと聞けないということもみられるため、お出かけ前に話をすると良いです」

2.時間をかけて伝える

赤名「出かけないと伝えられないことは、貴重な経験、体験の機会でもあります。

次回のお出かけのためにも、ここは大きなチャンスととらえ、時間をかけて『ここではこうするんだよ』としっかり伝えることも必要です」

3.なぜ守るのか、なぜいいのかの理由をきちんと伝える

赤名「“なぜそれを守らなければいけないのか”“どうしてそうするといいのか”を大切にしましょう。つまり、子どもにとって、ただやらされているものにならないようにすることが大事なのです。

『よく分からないけど、ママがダメって言ってたから』だと、現場でどうすれば良いかを忘れてしまいますし、自分で正しい答えにたどり着けなくもなってしまいます。納得して自発的にマナーを守れるようにすると良いですね」

4.繰り返し辛抱強く伝える

赤名「一度注意をしたのに、できていないと『この前も教えたわよね!』『何度言わせるの?』とつい子どもに言いたくなるもの。

でも、子どもはまだ記憶を司る脳が発達途中ですので、何度も言わないとなかなか理解できないこともあります。それを理解し、できるようになるまで辛抱強く繰り返し伝えてあげることが大切です」

5.思いやりの心の素晴らしさも伝える

赤名「お出かけのマナーを守る、ということは、子どもの心の中にある“周りの人に対する思いやりの心”が行動に現れている素晴らしいことなんだよ、と伝えてあげてください。小さいとまだわからないかもしれませんが、徐々にわかってくるものです」

いかがでしたでしょうか。これからゴールデンウィークも近づいており、子どもとお出かけする機会も増えてきます。

子どもにとってお出かけは大きな学びのチャンス! ぜひ根気よく大切なことをしっかり子どもに教えてあげたいですね。

【取材協力】赤名 麻由子さん

一般社団法人日本マナーOJTインストラクター協会 認定
シニアマナーOJTインストラクター・キッズマナーインストラクター

現在2児の母親業の傍ら、キッズマナーインストラクター、シニアマナーOJTインストラクターとして活躍。保育園やカルチャーセンターでのマナー教室を開催中。子供から大人まで、社会で思いやりの心を伝える大切さ、伝わる方法を教える活動をしている。

赤名 麻由子講師紹介ページ(日本マナーOJTインストラクター協会HP内)