友達に電話をしたとき「ちょっと待ってて、折り返し電話するから」と言われ、5分たっても10分たってもかかってこなかったら、イライラしませんか?相手と自分の感覚に違いがあるのですね。
あなたは子どもにも「ちょっと待ってて」と曖昧な言葉をかけていませんか?
『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』の著者の立石美津子が、“子どもにわかりやすい伝え方”についてお話しします。
「ちょっと待ってて!折り返し電話するから」
でも、それこそ、ちょっと待ってください。
「あと、5分以内には折り返し電話するから」とか、「3時までには必ず連絡するから」の方が具体的でわかりやすくありませんか?
実は「ちょっと待ってて」の「ちょっと」は人により時間の感覚が違います。これがトラブルの元になります。
これは親子とて同様です。
- 「ちゃんとしなさい」
- 「ちょっと待ってて」
- 「早くしなさい」
年がら年中、こんな言葉をかけていませんか?それなのに、ちっとも、子どもが親の思う通りに行動してくれないのはどうしてでしょう。
それは、子どもに“具体的にどう行動すればいいのか”が、全く伝わっていないからなんですよ。
大人編 曖昧な伝え方あれこれ
上司の指示
上司が「朝一で資料を出しなさい」と部下に命じました。
部下は翌日9時30分にメールに資料を添付して送りました。でも、上司は「遅いじゃないか。なんで9時に持ってこないんだ」、更に「なぜ紙に印刷をしてこないんだ」と叱りました。
これは発信側と受け止める側の感覚が違うのですね。上司の指示の出し方が曖昧だったのですね。
待ち合わせ時刻
「17時をめどに渋谷のハチ公前に集合」と、飲み会の招集がかけられました。
でも、待ち合わせをするときは色んなタイプに分かれます。
- 10分、15分前など早めに来る人
- 遅れてくる人
- 時間通りキッチリ来る人
待ち合わせ時刻に5分でも遅れるとき、電車内から「今、○○駅にいます。なので5分遅れます」と律儀に連絡を入れる人もいます。
でも、「頃」とか「めど」が人による感覚の差を生んでしまうのですね。
待ち合わせ時刻は17時とか18時とかではなく、「17時05分」「18時08分」など細かい設定にすると、よりみんな時刻を守るようになると言われています。これも、より明確になるので、心理的に「その時刻に行かなければ!」と思うのかもしれませんね。
「それ取って」
人は歳を重ねると指示語が多くなるように思います。「それ、あれ、これ」を頻繁に使います。
母と食事中、「それ、とって」と言われたので私は醤油を渡しました。すると「なんで醤油なの、七味が欲しいのよ」と叱られました。だったら「『七味取って』」と言ってよね」と思いました。
料理教室
「塩少々」と言われても料理デビューしたての人はわからないので、「人差し指と親指でつまめる量」とか、「小さじ半分」と言われた方がよくわかります。
病院や銀行の順番待ち
銀行の順番待ちや、病院の待ち時間も最近は「只今36番の方、受付中」とか「只今30分待ち、○○の方、診察中」と表示しているところも多くなりましたね。待つ人も「一体いつまで待たされるんだ」とイライラすることもなくなります。