美しき“男女の愛”に
思わずうっとり
「春画展」は、「プロローグ」「肉筆の作品」「版画の傑作」「豆判の世界」「エピローグ」の5つのパートで構成されています。
4階展示入り口を入ってすぐの「プロローグ」では、愛を交わす前の男女の姿が展示されています。男女が手を取り合い、見つめ合う……二人の息遣いが聞こえてきそうな絵ですね!
「二人はこの後どうなるんだろう?」と思いながら、いよいよ春画展へ足を踏み入れます。
庶民にも親しまれた
一点物の「肉筆画」
「肉筆の作品」エリアでは、印刷技術を用いずに絵師が自らの手で描いた作品が展示されていました。この世に一点しか存在しない貴重な作品の数々。中には、徳川将軍や大名家に仕えた狩野派の作品もありました。
鎧武者の取っ組み合いを描いているように見えるのは、鎧の下で行われる男女の営みを美しく描いた春画屏風です。高貴な身分の人がこの屏風を飾り、観賞して楽しんだのでしょう。
江戸時代になると、庶民にも肉筆の春画が広まっていきます。その中で、ユーモアのある春画も登場してきました。
こちらは、江戸時代に描かれたとされる『地獄草紙絵巻』です。平安時代から描かれてきた地獄絵をパロディ化したもので、閻魔大王の鏡には、抱き合う男女の姿が映っています。思わずクスッとしてしまう作品です。
版画が登場して印刷技術が普及しても「肉筆」は行われました。手描きならではの美しさは、人々に愛され続けたのです。
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