ビーズと聞くとどんなイメージが湧きますか? おもちゃ? アクセサリー? それとも……?
知っているようで、実はよくわからない。そんなビーズについてフォーカスした展覧会「ビーズ ―つなぐ かざる みせる」が、渋谷区立松濤美術館で開催されています。
ダチョウの卵も花も!何でもビーズに大変身
この展覧会ではビーズを「さまざまな素材に穴を開けて糸を通したもの」と定義しています。穴を開けて糸を通せばなんでもビーズになるのです。
そのため展示されているビーズは実に多種多様。人類は世界各地で様々なビーズを作り続けてきました。
同展覧会では、紀元前から現在にかけて、世界各地で作られたビーズと関連する展示物を紹介しています。
第一会場では世界各地のビーズの歴史や特性にフォーカス。
南アフリカでは、注射器のカバーに穴を開けてつなげた育児用お守りも作られているとのことでした。子どもが健康に育ってほしいという親御さんの願いが込められているのでしょう。
身近な素材ということでダチョウの卵殻を材料にすることも。ニワトリの卵は殻が薄くて脆いため、ビーズ加工には向いていないそうです。
身近な素材として、スイカの種や花の萼(がく)に糸を通して連ねることもあるそう。ビーズに使用されている素材をとおして、その地域の雰囲気や「らしさ」が見えてくるようです。
意外なモノもビーズになるんです
私たちからすると意外な素材もビーズに大変身します。
首飾りで使用されている白いビーズ、実は歯なんです。子どもから大人まで複数人の歯が使用されていて、シャーマンが呪術的な意味合いを込めて身につけていたものだそうです。
初めて見た時はぎょっとしましたが、ほかのビーズと組み合わせることでどことなくお洒落な雰囲気も漂わせています。
生き物を素材としているビーズはほかにもたくさん。スズメバチの強さにあやかろうと、頭部を連ねたネックレスや、ピラルクの鱗でできたビーズもあります。
マメ科の植物でできた木製のビーズと組み合わせた壁飾りに仕立てられていて、デザイン性も存在感もいい味が出ています。