続いて、アニメのサウンドトラックをハイレゾで聴いてみる

住吉:これも自分が選ばせてもらって……『ARIA』。新作も製作されて、根強い人気を持つ作品で、その第1作目のサントラです。BGMでもヨーロッパ的な音が使われていて、当時、とても画期的でした。そこからインスト曲の『ゴンドラの夢』と主題歌の『ウンディーネ』という曲を……。

テリー:これ、オリジナルですか?

住吉:サントラなんで、これはリミックスバージョンなんですけど。(『ウンディーネ』を歌う)牧野由依さんは、音楽学校を出られていて、声楽なんかも経験されているであろう声優さんであり、そうした歌手の歌を良い音で聴いていただこうかな、と。

テリー:これも10年前の作品ですね(笑)。

住吉:10年か~。まぁ、でも10年経って、ハイレゾというより原音に近い音をパッケージできる技術が開発されて、また新しい発見があるというのがおもしろいですよね。その10年を噛み締めながら、聴きましょう『ARIA』!

(『ARIA』のサウンドトラックから続けて2曲を試聴)

住吉:先ほどの『創聖のアクエリオン』に比べると、音の作りがシンプルで、弦楽器があって、打楽器があって、そういった楽曲だとどんな感じかな、と。

あまね丸:また、アニソン感のない曲を選びましたよね。この曲だと、弦楽器の奥行きや響きが感じられて。余韻っていうんですか?

テリー:僕は、(『ウンディーネ』が)オリジナル版に比べると、テクノ感やリヴァーブが強過ぎて……。やっぱり、ハイレゾの音として響きが良かったのはインストの方。こっちの方が空間的な響きもあったので、それは凄く良いなぁ、と思った。逆に、『ウンディーネ』のリミックス版は、デジタル的な処理を施しちゃってて、やっぱり牧野さんの声だけを聴いていたいなぁ……ってなっちゃう。

ハイレゾに合う音楽について考えてみる

住吉:ハイレゾやヘッドホンの特性としては、歌ものの方が合う?

テリー:声が凄く良く聴こえるんですよね。テクノとかっていうよりは(そっちの方がフィットする)。メロディーの方が聴こえやすいんですよ。

住吉:アコースティックな音であったりとか、音の綺麗さ、歌の上手さ……。

テリー:そっちの方が合う気はします。だから、アンビエントとかを流されちゃうと、ちょっと辛いのかなぁって気がしますよね。

どんな曲が一体、ハイレゾに向いているのか……?

住吉:声が本当に良く聴こえるので、アニソンだと新居昭乃さんとか坂本真綾さんとか"癒し系"じゃないですけど、楽器や声が綺麗なシンガーの方が……。

テリー:ナチュラルな音の方が合うのかなぁっていう気がしますよね。例えば、ORIGAさんとかは鳴りが良いのかな、と。

住吉:やっぱり高音質だとナチュラルな音の方が……バリバリのテクノとか一曲入れておけば良かったなぁ……。

テリー:次、『カードキャプターさくら』を聴いた方が良いかもしれない。これ、テクノっぽいリズムなんで。

住吉:じゃあ、いってみますか。"懐メロ枠"で、あまね丸くんが選んでくれた『カードキャプターさくら』主題歌集より『Catch You Catch Me』です。