先日、突如としてYouTubeに驚きの動画がアップロードされました。

その動画とは、日本の特撮怪獣映画界においてゴジラと双璧を成す大スター、ガメラの新作映像です!

この動画は、数多くの怪獣映画ファン、特撮ファンに驚きをもって迎え入れられました。しかも、この映像を手掛けたのが、数多くの映画やコマーシャルを作り上げてきた石井克人監督である点も、その衝撃に拍車をかけました。

とはいえ、ファン以外には、ガメラの新作映像と言われてもピンとこない若い世代も多いのではないでしょうか?

それもそのはず、リメイク版である平成三部作の最終作『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』からは16年、シリーズの外伝的な映画『小さき勇者たち~ガメラ~』からも10年近い時が経ってしまっているのですから。

そこで、これまでガメラに触れたことがない、ガメラを知らない方々に向けて、各時代毎のガメラシリーズを振り返り、その魅力を改めて考えながら、新作の展望についても語ってみたいと思います!

シリーズの原点となった第一作『大怪獣ガメラ』

ガメラシリーズの原点となる作品が、1965年に公開された映画『大怪獣ガメラ』です。

製作は、現在では角川映画に統合された大映。特撮映画としては、『大魔神』シリーズや平成に入って神木隆之介さん主演でリメイクされた『妖怪大戦争』などを製作しており、そうした中でも、ガメラは突出した人気と知名度を誇る作品となっています。

当時の特撮映画界といえば、巨匠、円谷英二氏を擁する東宝の独擅場状態。そして、そんな東宝が世に送り出した最高傑作といえば、勿論、ゴジラ。そのゴジラに負けじと大映が創り上げた怪獣がガメラなのです。

そんなガメラの"初出演作"となる『大怪獣ガメラ』ですが、内容は「長年の眠りから目覚めた大怪獣、ガメラが大暴れし、そのガメラに人間が立ち向かう」というストーリーです。

対東宝、対ゴジラの使命感、意地が炸裂した特撮シーンは、今、観返してみてもなかなかの見応えと強度を有しており、昭和の特撮怪獣映画を代表する一本となっています。

ガメラは、その名前の通リ、巨大な亀の怪獣です。そして、甲羅に手足を引っ込めた状態から、ジェット機の噴射口のように火を吹き出し、回転しながら空を飛ぶことができるのが最大の特徴となっています。

そんなユニークな設定もあってか、『大怪獣ガメラ』には今観るとユーモラスに映る場面もところどころ登場します。そのラストも、どこか柔和な雰囲気と怪獣に対する何とも言えない哀愁が入り交じる非常に特異なものです。