「赤ちゃんが生まれたら家族が増えて賑やかになり、夢のような楽しい毎日だろうなあ…」こんな風に想像していたのに、現実は「私の心は孤独感いっぱい」に感じることありませんか?
なぜ、こんな孤独に感じてしまうのでしょう。
『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子がお話します。
想像とは違った!子どもを持つという生活
妊活してもなかなか妊娠しなかった頃、抱っこひもやベビーカーで赤ちゃんを散歩に連れているママを見ると、まぶしいほどの幸せオーラを感じてしまい苦しくなっていたあの頃…。
「自分にも赤ちゃんがやってきたら“バラ色の毎日が続く”と思っていたのに、現実は不安と孤独感に苛まれている。」
こんなことってありませんか?想像していたのと真逆ですよね。
また、赤ちゃん連れでママ友との外出予定を立てていたのに、子どもが熱を出してしまいました。そんなとき「我が子の身体の心配よりも、参加できなくなったことを残念に思う」。
こんな風に“子どもの心配より、自らの気持ちを優先させてしまう”。そんな自分は母親失格なのでしょうか。
孤独、不安には原因物質があった!
実はこうなるのは「母親として不向きだから」ではありません。列記とした科学的根拠があるそうです。
妊娠中はエストロゲンが増えます。ところが子どもがママの体外に出た瞬間から急激に減ります。
この減少が不安や鬱、孤独感を感じさせる要因になっています。実際、産後鬱は通常の鬱病の5倍にも上るそうです。
なぜ、これが減ってしまうのでしょうか。それは母親一人で孤独な育児をしないようにするため、“共同養育”といって脳に備わった本能的なシステムがあるからなのだそうです。
ところが…今の日本は祖父母が同居しない核家族が家族全体の8割にも及びます。
しかも、働き盛りのパパの帰りも遅く、早朝から深夜までママ一人で子育てします。両親も遠い田舎にいて助けてくれる環境がない人もいます。
保育園不足で待機児童となってしまった、だからといって金銭的余裕もないのでベビーシッターに預けられるわけではないし…。つまり孤育てする人がとても多いのです。
日本の現実
子育てに対して不安と孤独を感じるのは7割にも及ぶと言われています(内閣府「子育てに関する意識調査報告」)。ところがママが助けがほしいときは周りに協力を得られないのが実情です。
この傾向が、諸外国と比べると日本は顕著です。
夫の家事の家事、育児参加時間(男女共同参画白書より)
- スウェーデン 3時間21分
- アメリカ 3時間13分
- フランス 2時間30分
- 日本 1時間7分
ベビーシッター利用率 (内閣府 保育サービスの比較より)
- アメリカ 41%
- フランス 17%
- スウェーデン 12%
- 日本 2%
だから、「子どもを産んだのに悲しくなる、不安になる、孤独になる」のは当たり前のこと。
「エストロゲンが減少」「共同保育が満たされない環境にある」この二つが要因なのですから“母親失格”と思う必要はないのです。