――実際演じてみて自分と重なるものは感じましたか?
浦井:はい、見ていただけたらかなり重なっていると思います! 松駒くんが僕自身だと受け取ってもらっても過言ではないかもしれません(笑)。
――福田監督はアドリブなど俳優さんに任せるタイプなんでしょうか?
浦井:基本は台本通りなんですけど、楽しいもの、もしくはエネルギーがとても充満して発散しているものに関しては、そちらも優先してもいいよ、というスタンス。
ただそれには、ちゃんと演劇的な要素での責任もありますし、福田監督にはそのシーンの確固たるビジョンがあるので、我々はそれにちゃんと応えるのと同時に、お客様にいかに楽しんでもらえるかをとても大切にされているので、そこが少しでもマイナスになるんだったら、普通のセリフできちんとやって欲しい、という考えだと思います。
――今回は、佐藤二朗さんやシソンヌのじろうさんなど個性的なキャスト陣でしたが、共演していかがでしたか?
浦井:店長役の佐藤二朗さんは台本通りにいかない時もあって(笑)、同じ演技はもうできないというほど、終わった後に何をやったか自分でも覚えていないと言っています。
それが、もう面白くて! 笑ったらNGになっちゃうので、間宮くんと凌と3人で、必死に笑いをこらえました。店長が登場するすべてのシーンが、どうやって笑いをこらえるかの勝負でした。
あと、シソンヌのじろうさんが佐藤二朗さんの演技を見て「羨ましい」と言っていたんです。お二人の演技を例えるなら“自由VS骨組み構築型”。
シソンヌのじろうさんは計算してお芝居をされていて、福田監督はその計算をちゃんと見抜いて、じろうさんならこうくるだろうと想像しながらセリフを書いているんです。
なので、2人のじろうさんのアプローチの仕方の違いも、見ていてすごく勉強になりました。
――松井玲奈さんはいかがでしたか?
浦井:玲奈ちゃんは、楓という役をあれほど誠実に演じ、福田監督の要望の核をきちんと捉えながら応えていって、本当にすばらしかったです。神がかっていました!
常に緊張はしていましたが、(SKEで)センターだったというポテンシャルの高さが感じられて、そのうえ自分には厳しいという、プロ意識の高い素敵な女優さんだと思いました。
観ていただければわかりますが、爆笑だと思います。原作のあの画を体現されています!
――W主演となった間宮さんとはどんな関係でしたか?
浦井:とても仲良くさせてもらいました。今回、間宮くん、佐藤二朗さん、僕と3世代の酉年が集まっていたんです。間宮くんとは一回り違うんですけど、芝居以外の話もたくさんさせてもらいましたね。
間宮くんは、映像など場数もたくさん踏まれていて、本当に頭の良い方だと思います。演技プランというか、お芝居の質感というのをちゃんと考えてきていて、仁井(ニーチェ先生)という役をどうするかをいろいろ考えて、ドンピシャのところを出してくる。
そして、そのエネルギーが明確であるのが間宮くんなので、とても尊敬しています。
――間宮さんとは一回り違うということですが、共演される年下の俳優さんとのコミュニケーションで、自分たちの世代とは違うと感じることはありますか?
浦井:変わらないですね。コミュニケーションツールが増えているのと、情報化社会という変化はあったり、漫画が『ドラゴンボール』世代から、相手は『ワンピース』世代だったりだとか、そういうところで世代差は如実にでるし、昭和と平成の差とかはあります。
でも喋る内容は、男同士なら他愛もないことを話しますから(笑)。
そういうところは何も変わらないと思います。