ゴトウの”おススメアニメ"
ゴトウ
アニメばかり見てて、気がついたら40代中盤のオタク系サラリーマン。結婚や出世って年を経れば自然にできるものかと思ってたけど、ぜんぜん違いますね。
劇場版美少女戦士セーラームーンR
つい最近20周年を迎えたセーラームーン。当時は社会現象となったほどの人気作で、テレビアニメに関しても無印からR、S、Starsと、数年に渡って放送されていました。
その後も実写版や、原作により忠実にアニメ化した作品なども作られているのですが、そんな中でもこのセーラームーンR劇場版の完成度は頭一つ抜けています。
テレビシリーズの設定を生かしながらの独立したエピソードで、セーラームーンである月野意うさぎの母性、そして深い愛情が前面に押し出されたストーリーになっています。
本来はマーズ派で、今でも当時購入したセーラーマーズ等身大タペストリーを部屋に飾っている私ですら、この作品のうさぎの優しさ、凛々しさ、美しさ、そして強さを思い出すたびに目頭が熱くなります。
テレビアニメの劇場版は、テレビシリーズを見ていないとよくわからなかったりすることが多いですが、この作品は「女の子が変身して悪者と戦う話」という最低限さえ分かっていれば大丈夫。
上映時間60分と劇場用作品としては短めなんですけど、だからこそ間延びなどまったくない詰まりっぷりで、アクションにギャグ、そしてクライマックスを最高に盛り上げるBGMと、とにかく見せ場の連続です。
オタク的な話をさせてもらうと、監督は幾原邦彦。このセーラームーンを経て、「少女革命ウテナ」や「輪るピングドラム」といった名作が作られていくわけです。
ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日
どちらかといえば特撮作品として有名だった「ジャイアントロボ」がOVAとして復活! …という感じの作品なんですけど、こちらの作品は単なるリメイクではありません。
そもそも特撮版「ジャイアントロボ」が始まる際、そのタイアップ原作漫画を「三国志」「魔法使いサリー」「仮面の忍者赤影」といった大作で有名な横山光輝氏が手がけていました。この作品はその流れを思いっきり利用していまして。
「ジャイアントロボ」であるはずなのに、「水滸伝」「三国志」「バビル二世」といった横山光輝作品のキャラクターが敵味方関係なくごちゃまぜになって出てきます。まさにオールスター夢の共演。
たとえば、悪の組織である「BF団」の参謀が、三国志の諸葛亮孔明。この地点で「あいつが敵? …やばい、絶対に強い」とワクワクさせられるじゃないですか。
あらすじとしては、世界征服をたくらむ悪の組織「BF団」と、それに対抗するために組織された「国際警察機構」との戦いというシンプルなものなんですけど、とにかく出てくるキャラクターのアクが強い。
それぞれ「衝撃のアルベルト」「静かなる中条」といったいわゆる「二つ名」がついており、中二病的カッコよさがすさまじいことになっています。
元になった作品を知らなくても、一瞬出てくる名前だけで「なんかすごいやつに違いない」って思わさせられる。プロローグに一瞬だけ出てくるロボットにも元ネタがあり、マニアであればニヤリとさせられるはずです。
オタク的な話をさせてもらうと、監督は今川泰之。「ミスター味っ子」や「Gガンダム」の人といえば、そのぶっ飛んだ熱さ、ハチャメチャなケレン味は想像してもらえるでしょう。
ガールズ&パンツァー劇場版
古いアニメばっかりお勧めするのも何なので、最後の一本は新しい作品を。
こちらは2年ほど前に放送していたテレビアニメ「ガールズ&パンツァー」の劇場版。そもそものストーリーとしては「花道」「茶道」と同じように、淑女のたしなみとして「戦車道」があるという世界で、女子高生である主人公らが母校の廃校を撤廃するため、戦車道の試合で優勝を目指す…という、王道だかトンデモだかよく分からないもの。
で、劇場版はそういったストーリーで進められたテレビシリーズ以降の話なんですけど、大筋は最初に説明されるので未見でも大丈夫です。
一見すると、ミリタリーオタクと萌え系オタク向けに作られた安易な作品と思われるかもしれませんが、これが実際に見てみると、部活系青春ものとしての完成度が非常に高い。大人の都合に振り回される少女らの奮闘、友情、そして成長と、非常にわかりやすく清々しい作りになっています。
そして、そんないってみれば単純なストーリを引き立てるのが、戦車による試合シーンの迫力です。爆音上映会が何度も開催されているほど「爆発音」にこだわって作られているそれは、ミリタリー知識などもまったく持たないぼくでもおもしろいし、アニメらしいハッタリも効いていて実にワクワクします。
ただ、劇場版が上映されたのがつい先月のことでして。ソフトはまだ出ていないし、映画館での上映は終わってるし…と思われる方はご安心ください。今のうちにテレビシリーズを観ておけばいいのです。
先ほど「テレビシリーズ未見でも大丈夫」と書きはしましたが、せっかくなら事前に本編を見ておいたほうが、キャラクターに愛着が湧いてより楽しめることは間違いありません。1クールアニメでそんなに長くないので、一気に観ることも可能です。
あとオタク的な話をさせらもらいますと、ヒロインの一人に「カチューシャ」という少女がいます。ロシアをイメージしたプラウダ高校の隊長なのですが、身長が小柄ゆえに、高身長である参謀「ノンナ」によく肩車してもらっています。
冷静になって考えてください。女性のうなじとは、いい匂いがするものです。で、頻繁に肩車をしているということは、ノンナのうなじにカチューシャの股間が押し付けられているということになります。ということは…? 匂いが混ざって…? こ、これはやばい! 贅沢すぎ! 例えるなら「トリュフ乗せカレーライス」みたいなもんですよ。ひええバチが当たるバチが当たる。(でも嗅ぎたい〜!)(舐めたい〜!)(来年もよろしく〜!)
ダ・ヴィンチ恐山の”おススメアニメ"
ダ・ヴィンチ恐山
一日中インターネットをしながら、インターネットのことを考えている。
地獄少女
約10年前にDVDレコーダーを購入し、はじめは「ピタゴラスイッチ」の体操だけつなげたDVDを作ったりしていたのですが、やがてアニメを録画して見るようになりました。
最初に見始めたのは『地獄少女』というアニメです。『必殺仕事人』と『スカイハイ』を合わせたような内容で、セーラー服を着た謎の少女「閻魔あい」が復讐代行人として依頼者の恨む相手を地獄に流すオムニバスです。ですが、見ていてまあ気が滅入る。
最初は悪党が地獄に流されて「やったぜ!」って感じで見られるんですが(依頼者も死後は地獄に落ちるけど)、やがて事実無根の恨みで地獄に送られる人が出てきたり、お互いに地獄に送り合ったり、やるせない最悪の話ばっかになってきます。
しかも全26話が3シリーズ、計78話もあるので、連続して見ていると「何の罰だよ」という気分になります。現実逃避にアニメ見てるのに、なぜ現実以上につらいものを見なきゃいけないんだ。
そうなると視聴のモチベーションとなるのは、閻魔あいの日本人形的な美しさや声優をつとめる能登麻美子さんのウィスパーボイスだったりするわけです。
しかし主人公なのに閻魔あいの出番は極端に少なく、1話に2分も出ないときもある有様で、その方面での欲求はなかなか満たされないつくりになっています。空耳アワーだけを目当てにタモリ倶楽部を観るもどかしさに似ています。
だからよかった…と今では思います。あの飢餓感こそが僕に能動的な「キャラ萌え」を教えてくれた気がするし、本来キャラ萌えとはそういうもののような気がするからです。
ヒロインの魅力を全面に押し出し、存分にその可愛さを味わえるアニメを観ていると、いまだに何か過剰に甘やかされている気がして罪悪感を覚えます。そう、毎週空耳アワードが放送されているような…。
ギャラクシーの”おススメアニメ"
ギャラクシー
趣味でゲームの実況やラジオなどを作っています。現在は株式会社バーグハンバーグバーグの社員です。
カウボーイビバップ
宇宙を股にかける賞金稼ぎたちの日常を描いたアニメ。
僕がこのアニメを好きなのは、主人公たちが全員、だらしなくて、貧乏で、協調性がなくて世間からはみ出した人間ばかりっていうところです。
アニメはそんな主人公たちが毎回のほほんと日常を過ごしたり、賞金首を追ってドタバタする一話完結ものなんですが、それと並行するように、主人公たちがそれぞれの過去と決着をつけるストーリーが進行していきます。
つまり「ドタバタ日常回」と「シリアスドラマ回」が混在しながら物語が進んでいくわけです。
作中ではよく「これは夢ね…」とか「夢を見るように」といったセリフが出てくるんですが、つまり彼らはシリアスを避けて、仲間としての絆さえ恥ずかしがって認めず、ただ笑って夢を見るように「ドタバタ日常回」を生きているわけです。
でも誰だっていつかは目を覚まして過去に決着をつけ、前を向かなくてはならなくなる…それが「シリアスドラマ回」。こちらでは容赦なく過去が暴かれ、裏切られ、人が死んでいきます。
結果的にラストは少し悲劇的に終わるんですが、そのラストを見終わったあと、絶対に、絶対に、絶っっっ対にまた最初から観たくなってしまうんですよ。
夢から覚めて前に歩き出したからこそ、「いい夢だったよなあ」っていうのがわかって、振り返りたくなるわけです。
結局僕はこのアニメを20回以上観てます。特に第5話でフェイ・バレンタインが手を縛られておっぱいが揺れるシーンは50回以上観てると思います。あんな柔らかそうな質感ってほかにあるかな。プルンプルンでもボヨンボヨンでもなく、トロントロンなんですよ。あれすごいよね。すごいよ。
Fate/ZERO
日本の冬木市にあるという「どんな願も叶うという聖杯」を巡って、魔術師たちが過去の英傑や戦士を使役し奪い合いをするというストーリー。
使役される英傑や戦士というのがまた「アレキサンダー大王」とか「英雄王ギルガメッシュ」とか「エクスカリバーを携えたアーサー王」といった、神話レベルの人物ばかりなんですよ。
序盤にそれらが倉庫街で一堂に会するシーンあるんですが、全員とてつもなく化け物じみた戦闘力とカリスマを持ってて、これ、この先どうなるの? 収拾つくの? って期待と不安で心臓が爆発すること請け合いです。
また、このアニメは戦闘シーンのアクションがとんでもなくすごいんですよ。僕はアニメの最大の魅力は「絵が動くこと」だと考えているんですが、15話のアーチャー対バーサーカー、24話の衛宮切嗣と言峰綺礼の戦闘はアニメ史に残る傑作です。できればその2話だけレンタルでもいいんで見てください。
前作である「Fate/stay night」っていうアニメの前日譚に当たるんですが、「stay night」を見ていれば「おぉ、ここでこういうことがあったから、ああなったのか」的なことがわかっておもしろいし、見ていないなら「誰が聖杯を手にするんじゃコレェェ~!」って純粋に楽しめると思います。
中二病でも恋がしたい!
このアニメのストーリーをメチャクチャひとことで言うと「中二病の人が普通になる話」です。
ヒロイン・六花(りっか)は、複雑な過去があるゆえに、ゴスロリの服を着てオカルトと妄想の世界に生きている中二病の少女。つまり「特別でありたい、そうでなければ」と思っているわけですね。対する主人公・勇太(ゆうた)は中二病を卒業し、普通に生きていこうとしている少年。
そんな彼らが出会い、特別と平凡、妄想と現実、過去と現在が交差しながら2人は少しずつ人として成長していきます。
誰だって、若いころは自分を特別な存在だと思っていましたよね。でもいつかは「自分なんてどこにでもいる凡人なのだ」と気付きます。
ただそんな間違いも含めて、人は日々を積み重ね、平凡ではあるけど、他のだれでもない「自分」という特別な存在になっていきます。
このアニメのラストは、「邪王真眼」と「ダークフレイムマスター」が、六花と勇太…つまり特別よりも特別な「自分」を獲得した瞬間がドラマチックな演出で描かれます。
もうイイ歳したオッサンでしたが、そのシーンではわんわん泣いてしまいました。中二病を経験したすべての大人に見てほしいアニメです。二期は観なくてもいいです。
いかがだったでしょうか?
気になったアニメがあったら、お休みを利用して鑑賞してくださいね!
年末年始にお休みがない人は、本当にお疲れ様です! ガンバ!