スマートフォンの普及によって、ネット依存、SNS依存になる子どもが増えている。
いつでもどこでもスマホを手放そうとしない。外の世界に目もくれず、現実の出来事に反応が薄くなる。さらには、目の前にいる人を馬鹿にするようなところが出てくるなどと、おかしな状態に陥っている子どもを、見かけるようになった。
「何度叱ってもなかなかやめてくれない」と、頭を悩ませているママもいるのではないだろうか?
今回は、ネット依存アドバイザー・遠藤美季著『脱ネット・スマホ中毒: 依存ケース別 SNS時代を生き抜く護身術!』を参考に、すでに依存してしまっている子どもに対して、ママはどんな対応をしたらよいのかを紹介しよう。
小さい子どもがウソのつき方を覚える時
問答無用でスマホを取り上げてしまえばいいんじゃないか。心配のあまり、そう考えるママもいるだろう。
しかし本書によると、子どもから急にスマホを取り上げたり、完全にネットを断つよう迫ったりというような、極端な措置はオススメできないのだとか。
著者の遠藤美季さんは、子どもの話を聞かず頭ごなしに否定すると、事態をこじらせる危険性があるということを述べている。
近年、小学生のうちにスマホを買い与えられる子も増えた。その影響でネット依存、ゲーム依存も低年齢化が進行している。
となると、親が厳しく叱りつけた結果、小さな子どもがその場を逃れるために作り話をするようになるほうが、問題は大きい。
「またゲームしてたの?」と聞くと、ホントはしていたのに「ううん、してない」とごまかしたり。「さっきは学習用のアプリを使っていただけ」なんて話をこしらえたり……。
何もスマホに限った話ではなく、幼い頃は母親から怒られるのが怖いものだ。
ひどく怒鳴られた恐怖で、なぜ怒られているのかという理由なんて吹き飛んでしまう。おまけに、怒られていることと叱られていることの区別は、天然なめことコレラタケのようにつけにくいと来ている。
「怒られたくないから」これほどウソのつき方を習得するために強力な動機はない。
「その場から逃げたい」そんな思いがネットの世界への逃避、依存に結びつきやすいのである。
カミングアウトできる雰囲気作りを
成長期にウソをつくことを覚えた子どもの何が心配かって、その後の人生への影響。
すぐバレるようなウソをつくうちはまだ可愛いけれど、じきに上達してしまうでしょう。
完膚なきまでにやりこめるようなママだと、お子さんはどんどん本当のことを話しづらくなるばかり。自分の身を守るつもりでウソを重ねていくだろう。
ここはゆる~く行ってみよう。
「またゲームしちゃった」と告白できたり、もし最初はウソをついたとしても、後から「ごめん。ホントはゲームしてたんだよね」と素直に言い出したりできる、そんな雰囲気が家庭にあるといい。
子どもがカミングアウトしたら、「今度から気をつけなさいよ」などと注意を与える必要はある。ただ、必死の形相では子どもが追いつめられる。
同じセリフでも、ちょっと笑って言えるような余裕がママに残っていると、うまく行くことが多いようだ。
「バーチャルの世界に逃げ込まなくても大丈夫。私はここにいていいんだ」
そう分かれば、ネットやゲームにかなりの時間を割いてどっぷり浸かっていても、「中毒ではなくて趣味」と呼べる範疇におさまる可能性が出てくる。