焦るな。
どんなことでも、すでに身についてしまった習慣を変えるのは難しい。
気づいていても即抜け出せなかったり、スマホを手放す時間が増えてきたかなと思ったら、またちょっと依存に戻ってみたりすることもある。
体質を変えるには時間がかかる。
一気に変われなくても大丈夫。スマホを使う時間は、少しずつ少しずつ、5分、10分、15分、30分……と、ちびちび減らしていこう。焦りが逆効果になることもある。ママは急かさないで、どうかゆったり構えていてほしい。
心の隙間を埋める会話を
本書曰く、子どものネットやゲームへの依存には、家庭環境の影響が大きいという。
子どもにスマホを預けても、本人がネットとちょうどいい距離を保って利用している家庭では、コミュニケーションが足りていることが多いとのこと。
自分の居場所は家にあることを、子ども自身がちゃんと納得できているわけだ。
依存しやすいのは、家庭での会話が少なく、心に隙間がある子ども。
ハマれるものなら何でもいいのかもしれないが、最もてっとり早いのが現代においてはスマホである。子どもが他の世界によりどころを求める前に心の隙間を埋めたいところだ。
ここまで再三“怒り”がよくないと書いてきたのは、親が正義感をぶつけっぱなしで、子どもの事情を聞こうとしなくなるからだ。
一方通行ではコミュニケーションがとれない。「何だかわけの分からないものにハマっている」というような認識しかなければ、親子間に溝ができてしまう。依存さえしなければ役立つこともあるから、ママも興味を持ってみるくらいがいい。
今は子どものほうがデジタルに詳しく、大人が分からないことも多いが、「分からないからと言ってむやみに怯えないで」と遠藤さんは言う。
親子の会話を全体的に増量するためには、「何が面白いの?」「今はどんなものが流行ってるの?」などとスマホやネットのことを話題にしてもいい。
そういう時のママは笑顔を忘れず、ちょっとした冗談を言えるくらいがいい。子どもは、自分のダメな部分も開示できるほうが身の置きどころをなくさずにすむのだ。
必死なら解決するわけではない。笑って受け止めてくれるゆるさがあることで、愛情を持って見守っているのが伝わる。そうなってこそ、子どもの心が現実に戻ってくるのではないか。
どうか怒りレベルを調節して、おおらかに接してほしい。