「あれ食べない、これ食べない」「この服、嫌だ!いつものティシャツがいい」と叫ぶわが子。
「自分の意見をしっかり持った子に育ってほしい」と思いつつ、これって我儘としてビシッと躾なくてはならないのか、意思を尊重しなくてはならないのか、その境目がわからず悩みますよね。
『一人でできる子が育つ 「テキトー母さん」流子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話しします。
物事はコインの両面のように裏表があります。子どもの行動も良い面でありながら、実は良くない面のこともあります。
例えば…
- マナーができていなくてレストランで走り回り、病院の待合室で大騒ぎする粗暴なわが子を「うちの子は伸び伸びしていて、子どもらしくて元気の良い子だわ」と取り違えている
- 「あれ買って、これ買って」と外出する度に玩具をねだる子どもに「子どもの意思を尊重する」といいつつ、単に我儘を受け入れているだけになっている
洋服を「これじゃないと着たくない!」と大騒ぎする
「これ食べない、これしか食べたくない」と好き嫌いをしたり、園バスの出発時刻が迫っているのに「これじゃないと着たくない!」と駄々をこねたり…「これ着ないと幼稚園行かない」と親を脅してみたり…
ある意味、親の言いなりにならず“自分自身の意思をしっかり持てる子”とも言えます。けれども、子どもの言いなりになっているとこんな風になってしまいます。
- 食事は好きな物しか食べない。野菜は食べないでパンやうどん等の炭水化物しか口にしない
→栄養が偏ります - お菓子や果物しか口にしない
→糖分過剰になり身体にも悪いです - 決まった洋服しか着ない
→気温に合わない服を着て風邪をひきます
では、どうすればいいのでしょう。
解決策(1)選択肢を与える
自分の意思が強い子ですから、「親の言う通りにしなければ、絶対に許さない」の対応をしてしまうと、毎回、親子のバトルになりますし、強い親の力に牛耳られて、子どもは常に不満を持つことになります。
更に「自分の意見をしっかり持ち、それを声に出せる」という良い面が生かされません。こんなときは、選択肢を与えましょう。
食べ物の好き嫌い
- 「ママが出したものを全部食べなくてもいいので、2口は食べてね」と伝える
- ブロッコリー、トマト、ほうれん草、人参、キャベツの絵を見せて「野菜はあまり好きではないのね。だったらこの中で、これだったらなんとか頑張って食べられるものを選んで、それで美味しい料理を作るわ」と伝える
洋服へのこだわり
その日の気温でそれを選んでも夏なら暑すぎない、冬ならば風邪を引かないものを3着ほど用意し、その中で選ばせる。
こうすると親に命令指示されて押し付けられるわけではなく、親が大枠を作った中で選ぶ形をとるので、自分の我儘だけが通ったことにはなりません。親も一歩譲り、子どもも一歩譲っている形ですね。