知っていて欲しい、育給で「所得ゼロ」になる人の存在

ところで、育児休業給付金をもらえない人、つまり育休を取るとまったくお金がもらえないため、完全に無給の立場になる人もいます。

というのも、育児休業給付金は雇用保険から出るしくみであるため、雇用保険に入っていない人はもらえないからです。具体的には、自営業者、フリーランス(個人事業主)、企業経営者、週20時間未満のバイトやパートなどは雇用保険に入っていません。

これは男性に限らず、女性にもあてはまります。ですから、フリーで働いていた女性が育休に入ってしまうと無給期間が続くことになります。そのうえ、保育園にも入りにくいという心配もしなければなりません(育休取得者は復職予定があるためポイントに差がつくことがある)。

実はこれ、法律の落とし穴だと思います。育給する女性は雇用保険とか関係なく、育児休業給付金が全員もらえるべきだと思います。

取りたくても取れないという葛藤

ちなみに、筆者(私)は毎日5~6時間の育児・家事を負担するイクメン期間中です。7カ月の女の子と2.6歳の男の子を抱えて育休中の妻と一緒に育児・家事を分担しています。もうすぐ妻が復職予定なので、その期間は自分がもっと育児・家事を負担したいなあと思っています。

しかし、私も育休手当がもらえない立場です。というのも、個人オフィスを株式会社にしているので社員ゼロなのに名義上は社長になっているからです。先ほどの説明のとおり、雇用保険に入っていないので育児休業給付金をもらえます。育休を取ったら文字通り無収入になってしまうのです。

かくて、こどもの寝付かせまでがんばったあと、ファミレス等に出かけて深夜に原稿を書いている日々です(朝7時にはこどもを起こすので、深夜といっても2時には帰宅して寝る日々)。2人目のこどもが保育園に入り、妻が復職する4月から5月にかけては仕事と育児の板挟みでパニックになることでしょう。

取れるものなら男性の育休、取得してみたかったなあと思います。