私は子ども達に授業をしています。
お迎えにいらした保護者に「○○君、最近、机の上の整理整頓が出来るようになり成長しましたね」と伝えます。
すると、親の口からは衝撃の言葉が出ます。「そんなことないです、家では散らかし放題なんですよ」
また、ある保護者に「○○ちゃんはお友達に優しく出来る良い子ですね」と褒めました。
すると「いえいえ、家では我儘放題なんですよ」と返ってきました。
酷い親は「嘘でしょ!外面がいいだけなんです!」と言うのです。
折角、褒めたのに無神経に子どもがいる目の前で否定する親です。
私は心の中で「せっかくお子さんのことを褒めてあげたのに、その言い方はないでしょ。私は嘘なんかついていませんけれど…」と叫んでいます。
そして何よりもその会話を聞いて悲しい顔をしている子どもを見て「可哀想に…」と思ってしまいます。
けれども、本心は「自分の子どもがどうしようもない」なんてどの親御さんも思ってはいません。自分の子ともが一番可愛くて、凄く愛しているんです。
けれども、ここでも“粗品”のように“謙遜の美徳”が登場します。
「親バカと思われたくない」「うぬぼれている親だと思われたくない」「厚かましい、図々しい親だとは思われたくない」の気持ちがあるからです。
はっきり意識はしていなくても自動的に出てくる態度です。
だからつい、子どものこと褒められたのにへりくだってしまうのです。
外国育ちのママは「まあ、ありがとうございます。嬉しいです」とか「私もうちの子はとってもいい子だと思います」と返してきたりします。