2017年1月から、現役世代なら誰でも利用できる予定
現在、確定拠出年金に自分のお金を入金できる人は
個人型確定拠出年金……自営業者等の国民年金保険料を納めている人、企業年金のない会社員
企業型確定拠出年金……会社の制度で「マッチング拠出」を認めている会社員
に限られます(それでも2000万人以上が対象)。
しかし、今後法律改正があって、現役世代(60歳まで)の人は誰でも利用できるようになります。具体的には、企業年金のある会社員、公務員、専業主婦(夫)も確定拠出年金制度を使って老後のお金を増やすことができるようになるわけです。なお、実施は2017年1月の予定です。
個人型確定拠出年金については自分で資料を取り寄せたり、申込書類を書かなくてはならないのが面倒ではありますが、絶対にお得な制度です。比較サイトなどをチェックしながら、がんばって積立をスタートさせてください。
あとは自動的に、かつほったらかしでお金を増やしていける
さて、確定拠出年金について少し知っている人は「自己責任で投資するから大変だ」というイメージを持っているかもしれません。
しかしこれは誤解です。実は確定拠出年金の中には定期預金のような「元本確保型商品」があるので、これを選べば低金利とはいえ堅実にお金を増やすこともできます。
投資についても、そう難しく考える必要はありません。5~10年くらいのスパンでひたすら買い続け、株価が上がりきったときにちょっと売るくらいでもいいのです。むしろ株価が下がっているときこそ大きく増やすチャンスで、何もしないほうが得策です。
もし、悩むようなら「分散投資された投資信託を選ぶ(バランス型と名前がついている事が多い)」こと、「低コストのものを買う(運用の手数料が年0.7%より低いもの、理想的には0.4%以下がいい)」ことのふたつを心がけます。
あとは毎月購入してはほったらかしを繰り返して55歳くらいまでそのままにしてもいいくらいです。「アベノミクス4」くらいがくるまで粘り強く投資を続けてください。
もし1万円を22歳の入社から定年退職の60歳まで積めば1000万円になるチャンスもあります(口座維持手数料月500円を引き、運用益年4%で試算)。元本は456万円ですから倍以上に増えている計算です。
ちなみに、所得税や住民税を15%相当引かれて、利息からも税金を引かれた場合(年3.2%)、60歳時点での金額は755万円です。「合法的に脱税」した差は大きいですね。
「合法的脱税」は老後破産を防ぐ大切な選択肢です。だからこそ、国もそれを認めているわけです。ぜひぜひ、このしくみを有効活用してみてください。
(おまけ)
もし、本気で確定拠出年金の投資について勉強してみたいという人は拙著『誰でもできる確定拠出年金投資術』をオススメします。分かりやすいと評判だそうですよ。