理解されない苦しみを乗り越えて
それからしばらくは、元夫の親戚から
『DVを受けたって嘘をついてまで苦しめて、何様のつもり?』
『義母はあれから寝込んでしまって、どうしてくれるの?』
など心無いことを言われましたが、すべて
『弁護士を通していますので』
とはねつけました。
元夫と義実家には弁護士から話がいっているので直接の連絡はなかったのですが、私はうつ病になってしまい、しばらくはまた眠れない日々が続きました。
親戚の人に責められるたび、
『どうしてこの人たちはこんなことを平気で言えるのだろう』
『どうして自分たちが間違っていることを疑わないのだろう』
と苦しくて、それでも
『私は間違っていない』
ことを周りのみんなが支えながら教えてくれるので、それだけが救いでした。
多くの人の助けがあって何とか離婚が成立してから数年経ち、再婚したいと思える男性と出会えた今は、おかしいと思うことはきちんと話し合うこと、受け入れられないことは伝えること、何より『おかしい』と思う自分の感覚を大事にすることを、肝に銘じています」(37歳/総務)
「おかしい」と思う感覚の大切さ
こちらの女性は、夫の実家がおかしいと思ったとき、まずそれと比較できる自分の実家もまた男尊女卑のまかり通る家庭でした。
そのため、心のどこかで「こういうものかもしれない」と「夫の実家からお金を無心され続ける状態」を受け入れてしまい、またそのことを自分の家にも相談できずにいたことが、環境を悪化させていった一因になっているかもしれません。
本当はおかしいと思いながら流されていけば、ストレスは溜まる一方だし現実はどんどん悪いほうに進みます。
不眠症は、心身ともに「限界」のサイン。
弱った心に叩きつけられた義母の言葉は、どれほど重く、またつらいものであったしょうか。
彼女は、離婚専門のカウンセラーに話を聞いてもらいながら準備を進め、夫の態度からして協議離婚は難しいだろうと調停も視野に入れていたことが、決意したあとの流れを変えました。
「おかしい」という違和感は、無視しても必ずいつか目の前に避けられない問題として浮上します。
そのとき、現実を諦めて従ってしまうのか、それとも自分の感覚を信じて立ち上がるのか、どちらも自分しだいです。
自分を守るのはまず自分自身から。
そんな覚悟を、もう一度考えてみたいと思います。