“本を読まない子”でも心配ない
――今は年間200冊以上の本を読んでいらっしゃるそうですが、学生時代はまったく読まなかったそうですね。
藤原さん:私はいわゆる学校の“課題図書”が嫌いでした。ちっともおもしろいと思えなかった。それで本が嫌いになり、大学までほとんど本を読まずに過ごしました。そんな私が今では3000冊以上の本を読み、読書術に関する本まで書いているんです(笑)。
なので、中高生の頃に本を読まない子が読書をする人にならないとは、経験上言えません。ある意味読まなくて当然。その間マンガやゲームに流れることも当たり前です。
――子どもが読まない時期は放っておけばよいでしょうか。
藤原さん:読まないのも当然な流れではありますが、強制的に読む時間を作り、習慣づけることも有効だと思っています。
最近では多くの小学校が行っていますが、和田中学校では朝の10分間に全員で必ず本を読む『朝読書』を設けていました。もちろん教師も読んでいる姿勢を見せることが必要なので、職員室にいる先生全員に、「なんでもいいので本を読んでください。読んでいる姿を生徒に見せるようにしてください」とお願いしました。
結果として、まったく読書の習慣のなかった生徒の多くが、「強制されたことで本を読むことが習慣されてすごく良かった」と3年後の卒業時に言っていました。
ですから、ある時期は強制することも大事だと思います。でもこれを親がやるのは難しい。学校という、みんなが集まるところでルールとしてやるのが正解だと思っています。
――それでは読まない時期があっても、そんなに心配はいらないと。
藤原さん:僕はそう思います。今の子どもは、やらなきゃならないことが沢山ありますから。