子どもにいつスマホを持たせるか、どう使わせるかは、現代の親の最大の悩みのひとつ。LINEやゲームなど、誘惑の多いスマホを有効に使う方法を教育のプロに聞いてみました。
この春から奈良の一条高校で校長を務める“教育改革実践家”の藤原和博さんは『本を読む人だけが手にするももの』(日本実業出版社刊)や『人生の教科書』シリーズ(筑摩書房刊)など多数の著書を手掛け、初の民間校長として活躍した和田中学校ではいちはやくICT教育を実践していました。
そんな藤原さんに、「スマホに使われない子、使いこなす子」になるポイントをお聞きしてみました。
“スマホ”はもはや“ドラッグ”
――スマホやゲームが子どもたちに及ぼす影響は大きいですか。
藤原さん:中学ではアンチドラッグの教育を行い、専門家を呼んで授業をします。ドラッグというと、ふつうは酒、タバコ、薬物ですが、僕はそれにテレビとゲームも加えています。
特にスマホのゲームはハマってしまうと、パチンコなどのギャンブルと同様の中毒になる。もっといえば薬物と同じ。頭を働かせていないし、何も考えていない状態。それがずっと続くというのは、絶対良くないということはハッキリ言えます。
ゲームを気分転換でやるのは、テレビのお笑いを見るのと同様にかまわない。しかし、テレビを長時間見続けている人も中毒でしょう。そういうことです。
携帯電話を首から下げて四六時中不安そうに見ている人が多いですが、まるで携帯電話が人間を飼っている。どっちがどっちに首輪を下げているのかわからない(笑)。ネットを道具として使っているつもりが、ネットに使われているんです。
生活指導の敵・スマホをあえて授業に活用する理由
――藤原さんは生徒たちにどのような指導を行われるのですか。
藤原さん:高校生では、スマホが生活指導の一番の敵。スマホとの闘いです。LINE中毒になっている子やSNSのいじめなど、問題は多々あります。
ですので、今春から就任する高校では、“メディアリテラシー”をすごく重要視するつもりです。
具体的には、授業中にスマホをどんどん活用していく予定です。
ただし、接続は学校のWiFiネットワーク経由のみにします。