実は、先生側で生徒の端末がWiFiから外れたらアラームで警告することは可能なんです。でも、それはやらないことにしました。
アラームが鳴る度にいちいち注意する時間もったいないし、生徒自身が「それは悪い」ことだというのがわからなきゃいけない。むしろ問題が起こったら議論し、生徒たちにルール作りをさせる。
教育の機会にするためには、アラームが鳴る方が良いように思われるかもしれませんが、そのこと自体は決して抑止力にはなりません。それよりも、問題が起こるたびに話し合いをして、きっちりルールを作る方が良いのではという考え方をしています。
ただしこれは高校生の場合で、小学生だったらアラームを鳴らす方が良いかもしれないです。
――あえて禁止するのではなく、使っていく中で理解していくということですね。
藤原さん:スマホを授業中使うことは“パプリックユース”。休み時間に個人でLINEをやるのは“プライベートユース”だから学校では許さない。この2つの敷居をつける。この習慣をつけていきたいと思います。
いま、公共性を道徳で教えるという話も出ていますが、生徒がリスペクトしていない教師が公共性といっても聞く耳をもつわけはありません。それより、スマホを教材に使うほうがいい。どこから公共性なのか学んでいける。
たとえば、「電源を入れる/入れない」というところから、なぜスマホの電源を切らなければいけないのか。そういったことが、一番学習効果があるのではと思います。