言葉の裏の本音をちゃんと受け止める
ふだん、相手が言った言葉からどれだけ本心を受け取れているでしょうか。
たとえば夫に「洗濯物を干して」とお願いしたときに、「あー、うん」と生返事だけですぐに動かなかった場合、「やってって言ったのに。今やってくれないならもういい!」などとひとりで完結してイライラしたりすることもありますよね。
けれど、夫には「今すぐとは言われなかった」とか「このあとやるつもりだった」などの言い分もあるかもしれません。
相手の言い分を聞かずに一方的に悪い方向に決めつけてコミュニケーションを終わらせてしまうのは、もったいないことです。
「相手の立場に立って、言葉を足して会話をすることが大切」だと天野さんは言います。
こうした夫婦の会話から、まだまだ未熟で適切な表現ができない子どもも、次第に自分の本心をしっかりとした言葉で相手に伝えて会話できるすべを学んでいきます。
“相手が言われたい言葉”で返す
夫婦でお互いに「ありがとう」を言い合えていますか?
たとえば夫が仕事、妻が家事に従事しているような夫婦の場合、夫が仕事をすること、妻が家事をすることをお互い「当たり前」に思いすぎていて、ほとんどの夫婦がそのことに対して「ありがとう」と感謝の気持ちを言えていないそう。
天野さんが多くの夫婦に「夫婦がお互いに言われてうれしかった言葉、言われたい言葉」を調査したところ、以下のような言葉が挙がりました。
妻がうれしい言葉1位は「(代わりに)やっておくよ」、2位は「~を一緒にしよう」、3位は「こんなに大変だったんだね、ありがとう」、夫がうれしい言葉1位は「今日も1日お仕事お疲れさま」、2位は「毎日ありがとう」、3位は「やっぱり頼りになるね」「あなたでよかった」です。
妻は相手に共感してもらいたい気持ちが強く、夫は毎日の仕事を認めてもらいたい気持ちが強いようです。
相手に「ありがとう」と言ってほしければ、まず自分が相手が言われてうれしい「ありがとう」の声かけをしてみること。そして、ふだんから感謝を言い合っている夫婦を見ていた子どもは、やはり上手に感謝の気持ちが表現できる子に育つのではないでしょうか。
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子どもは、親が思っている以上に親のことをよく見ているもの。夫婦の会話のあり方が、子どもの性格にも大きな影響を与えているんですね。
「夫婦でもっとコミュニケーションがしたい」「子どもには相手の立場でものを考えられる子になってほしい」……そんな思いがある方は、ぜひ『賢い子を育てる夫婦の会話』を読んで、子どもを成長させる夫婦の会話のコツを磨いてみてください。