最近、夫婦で会話していますか?
お互いに仕事をしていたり、夫が仕事で帰りが遅かったりすると、忙しさによるすれ違いで夫婦の会話がめっきり減ってしまっている方も多いかもしれません。
実は、夫婦の会話は子どもにとってとても重要。親から直接言い聞かされるよりも、親同士や、親と誰か他の大人が話している言葉のほうが子どもの心に響くそう。父親と母親が話しているその姿、その言葉から、親子で話すことよりも多くのことを子どもは学んでいるというのです。
夫婦の会話がなくても親子で話しているから大丈夫、と思っているとしたら、それは間違い。これからは、親が子どもに「言い聞かせる」のではなく、夫婦の会話で「自分で考えて行動させる」子育てが大切なのだそう。
今回は、NHK教育テレビ『すくすく子育て』でキャスターを務めていたフリーアナウンサーの天野ひかりさんの著書『賢い子を育てる夫婦の会話』より、子どもを成長させるための夫婦の会話のコツをご紹介します。
理想や望みを「I」を主語にして伝える
夫に対して、不満ばかり述べていませんか? 相手に「もっとこうしてほしい」「なんでしてくれないの」と要望ばかり押し付けては、お互いに息苦しくなってしまいます。
口を開けば文句ばかり、要求ばかりの相手の言い分は、あまり聞きたくないと思ってしまいますよね。
夫婦仲がうまくいっていない場合、このように相手=YOUを主語にしてしまっている可能性があります。
しかし、この言い方だと相手を責めたり、相手を「〇〇な人だ」と決めつける発言になり、逆に要望が伝わりづらいのだそう。
自分の望みを上手に伝えるには、主語を“YOU”から“I”に変えることが重要。
「私はあなたとこんな夫婦になりたい」「私はもっとこうしたい」と、主語をIにして自分の望みをうまく伝えてみてください。
自分の気持ちを上手に伝え合える夫婦を見て育った子どもは、相手の立場に立って物事を考えられる、思いやりのある子どもに育つそうです。
悪口を言ったときは「いい面」も必ず言う
「人の悪口を言ってはいけない」という教え。誰しも親や教師から一度はそう言われたことがあるのではないでしょうか?
天野さんは、「家族間なら言ってもいいのでは」と言います。悪口には、「たまっていた気持ちを吐き出せる」「わが身を振り返ることができる」といったメリットもあるそう。
家族間で吐き出しておくことで、外で悪口をいわずにすむというのです。
ただし、家族間でも悪口を言うのであればルールは必要とのこと。それは、以下の4つです。
- 他人に言いふらさない
- 一方的にSNSで広めない
- 自分はどうするかを考える
- 悪口の相手の「いい面」も考えてみる
特に4、そして怒りが収まったら相手の立場を理解する言葉を添えるということが重要。
子どもは実際に自分が悪いことをして怒られたりしつけられたりするより、親が感情的になって話している言葉から善悪を学ぶのだそう。
悪口を言うというのは、特定の誰かの言動などに対して怒っていること。その人の価値観が露わになる瞬間でもあります。その人にどんな理想があるかが、悪口から見えてくるのですね。
夫婦で誰かの悪口や愚痴をこぼしている場合、お互いに共感し合って、その悪口の対象の「いい面」や「別の視点」を補い合えば、子どもも悪口からさまざまな考え方、視点を学ぶことができます。
ただし、親が話している悪口を「人に言いふらさない、家族だけの秘密であること」を伝えるのは忘れずに。