テレビ局の買収騒動に『ガンダム』が翻弄された?
1996年に放送されたアニメ『機動新世紀ガンダムX』。戦争によって荒廃した未来の地球と宇宙を舞台に、少年と少女の出会い、そして最強の機動兵器「ガンダム」をめぐる戦いが描かれた本作は、4クール放送されるはずが1クール短縮され、全39話で終了となった。また、テレビ朝日での放送時間帯が途中から予告なく変更され、視聴者の混乱を招いた。
こうしたゴタゴタの要因として、制作スケジュールが逼迫していたことは公然の事実だが、それとは別に、当時進行していた「テレビ朝日の買収騒動」が大きな影響を与えたという説も根づよい。
“1996年はちょうどテレビ朝日が外資によって買収を仕掛けられていた危機的タイミングで、アニメや特撮などより報道番組を強化する必要に迫られていた。『ガンダムX』の放送短縮はそのしわ寄せだ”――という説だ。それに加えて“同社の看板アニメである『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』すら危なかった”とする噂も見られる。
公式の情報ソースが見当たらないため何ともいえないが、『ガンダムX』が他のガンダムシリーズと比べて不遇な扱いを受けていたことは確かだろう。もし満足な制作環境があれば、もしガンダムブランドが成熟した現代に作られていたら、もしテレビ局に買収騒動がない時期だったら、どんな作品になっていたのか……非常によく練られたシナリオだっただけに、さまざまな“if”を想像せずにはいられない。
声優降板の皮肉なタイミング
人気漫画を原作に、今年でアニメ20周年を迎えた『名探偵コナン』。その主要キャラクターである毛利小五郎を演じていた声優・神谷明さんが、2009年9月18日に降板を発表した。降板理由がはっきり明かされず、本人のブログに「信・義・仁の問題」など思わせぶりな記述があったことから多くの憶測を呼んだ。
奇しくも9月18日は神谷さんの63回目の誕生日であり、同日にはテレビで彼の誕生日特集コーナーが放送された。ベテラン声優の突然の降板劇と誕生日、さらに特集コーナーが同じタイミングに重なり、なんとも間が悪いと当時のネットニュースで報じられる出来事だった。