親が子どもに望むことは何でしょうか? それは、この先の人生で待ち受けている大小さまざまな問題に、自分で対処できる力をつけてほしいということに尽きますよね。
そこで今回ご紹介するのは、田中ウルヴェ京さん著『たった3秒で子どもが変わる! 言葉の魔法』をもとにした、子どもが秘めている力をフルに発揮できるようになる方法です。
この著者名、どこかで聞いたような……と思った方も多いはず! 田中さんはシンクロナイズドスイミング(現・アーティスティックスイミング)・デュエットのソウル五輪銅メダリスト。その後はメンタルトレーナー、コーピングコーチとして活躍中です。
その田中さんが提唱する、心理学の「コーピング」の技法を応用した子育てスキルとは!?
自分を幸せにする力をつけよう!
著者曰く、「自分で自分を幸せにする力を持つ子が一番強い」。
スポーツに限らずあらゆるジャンルにおいて、また、大人にも子どもにも言えることとして、自分を幸せにする力を伸ばした人・伸ばせなかった人の間には、歴然と差があるのだとか。
自分をハッピーにする力を持った子どものことを、この本では「ゴールデン・ポテンシャル・キッズ」と呼んでいます。
では、わが子に「ゴールデン・ポテンシャル・キッズ」として育ってもらうには? 具体的な方法に迫っていきます!
自分の感情に自分で気づいてもらう
「こうするべき」と親の常識を押しつけたり、親の都合で操ったりするのはNG!
親や周りの大人から「やらされている感」があると、子どもは自分が何をしたいのかが分からなくなってきて、幸せ力が落ちてしまいます。これで意欲や対処能力が錆びてしまう子どもが、どれだけいることでしょう。
大切なのは、子ども自身の感情です。やるべきかどうかではなく、やりたいこと・やりたくないことは何なのか、本人に感じ取ってもらうことです。
そして、親は「それは、いつからそう思っていたの?」「その時、どう感じたの?」などと、子どもの感情を引き出す言葉をかけるといいそうですよ。
親がしゃしゃり出てきて子どもを助けるのではなく、子どもに自分自身の助け方を考えてもらうための、大事な一歩です。
魔法のポジティブ・プッシング
さらに「ゴールデン・ポジティブ・キッズ」としての力をつけてもらうには、スポーツ心理学のジム・テイラー博士が唱える「ポジティブ・プッシング」がオススメとのこと。
子どもが、自分についてポジティブなイマジネーションをふくらませる。それができれば、勉強やスポーツ、習い事ほか、さまざまな物事に対するモチベーションアップにつながっていきます。
そういう感覚が養われるよう、親は言葉の力でプッシュしてあげましょう。
ここからは、「ポジティブ・プッシング」の考え方をいくつかピックアップします。
私は愛されている(自己親愛感)
子どもには「あなたは愛されている・信じてもらえている」という感覚を得てもらいましょう。
それができるのは、やはり親という存在です。「大好きだよ」「あなたのことが大事だよ」「生まれてきてくれてありがとう」などと、親が折にふれて言葉や表情に出して伝えていくのが良いそうです。
愛されているという感覚がある子には、「これをしたら親が悲しむ」という想像力もつくそう。親が注意しなくても、子ども自身が「してはいけないこと」を考えてくれるきっかけになりますね。