さて、その気になるストーリーは……1963年、サンフランシスコ湾に浮かぶ孤島のアルカトラズ刑務所から、256名の囚人と46名の看守が忽然と姿を消す。そして現在、サンフランシスコで凄惨な殺人事件をきっかけに、約50年前に姿を消した凶悪犯たちがひとり、またひとりと蘇ってきて……。現在は観光名所で、映画『ザ・ロック』などの舞台としても知られるアルカトラズ刑務所をモチーフにした本作は、既存のどの作品にも似ていない、それこそ予測不可能な展開を見せる。毎回新たな囚人が登場し、主人公の女性刑事らが彼らと対決する1話完結のドラマを用意しながら、シリーズ全体を通して大きな謎に迫っていく二重構造で、今回も多くの人を中毒にしてしまうのは確実だ。凶悪犯たちはなぜ突然現代に現れたのか? なぜ年をとっていないのか? 誰が何の目的で何をしようとしているのか?

回を重ねるごとに明らかになる真実と深まる謎。次第に浮き彫りになる、登場人物それぞれのアルカトラズとの関係や意外な一面……。想定外の衝撃と目を離せない展開で『LOST』以来のブームを巻き起こすのは間違いない。

今年の夏は眠れなくなりそうだ。

映画ライター。独自の輝きを放つ新進の女優と新しい才能を発見することに至福の喜びを感じている。キネマ旬報、日本映画magazine、T.東京ウォーカーなどで執筆。休みの日は温泉(特に秘湯)や銭湯、安くて美味しいレストラン、酒場を求めて旅に出ることが多い。店主やシェフと話すのも最近は楽しみ。